嗚呼宮台真司(その3)

東京新聞「政府2トップ(安倍と麻生)のトホホな見識」に登場しています - MIYADAI.com Blog


昨日書き忘れたんだけど、これこそまさに「トホホ」だ。

池田名誉教授は「『いつの間にか…』なんて話ではなく、ドイツ全体が大変な騒動になった。その渦中で全権委任法は成立した。総選挙でのナチスの得票率は43%に過ぎず、過半数は支持していない。大きな摩擦があったことは容易に推察できる」。

憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。

の部分を池田教授は「全権委任法の成立」と解釈している。そして「大きな摩擦があったことは容易に推察できる」という。しかし、そもそも大きな摩擦があろうがなかろうが、全権委任法の成立に誰も気付かなかったなんてことがあるはずがない。成立ではなく国会で審議されていることに気付かなかったのだという意味だとしても、2/3以上の賛成が必要な重要法案に誰も気付かないというのはやはりありえない。


そんなことすら麻生太郎は知らない「あほ」だというのならそう書くべきだ。しかし、それを書かなかったのは書き忘れたのではなくて、池田教授の方が「大きな摩擦があれば気付くけれど、なければ気付かない」という「トホホ」な考えを持っているからだと「容易に推察できる」。


そして

憲法改正論議を始めようにも、簡単には進まないことは自民党もよく分かっている。だから、『いつの間にか憲法が変わって』という発言は本音ではないのか」

と言うけれど、どうやって日本でそんなことが可能なのか全く想像できない。「本当の目的を隠して法律を通す」みたいなことなら可能かもしれないが、そのような説明を池田教授は一切してない。


そして常識で考えればわかることだが、そういうことをやりたいなら、自民党内で秘密裏にやればいいのであって、講演会で言うべきことじゃない。彼等に言って何のメリットがあるというのだろうか?麻生は「あほ」だから、秘密にすべきことを漏らしちゃったのだということだろうか?それならそうと書くべきだ。


しかし、解釈の問題点を、何でもかんでも「麻生があほだから」ということで解決してしまえば、どんな説明だって可能になってしまうのである。