右にも左にもアレルギーがないというけれど

で、上に書いたことを踏まえて
<田母神氏>61万得票の意味 背景に若者層の不安、危機感? (毎日新聞) - Yahoo!ニュース


ここに田母神氏に投票した人の証言がある。

「僕らは自衛隊にも共産党にもアレルギーはない。何かおもしろいことをしてくれそうな期待感、現状維持ではダメだという思いが一番大きかった。政党や組織、既存の制度を守るために動く政治家が多いが、彼は違うと思った。田母神さんの思想的な部分はあまり気になりません」

これを見ると、この人はいかにも右にも左にもこだわらない、すなわち不偏不党であるかのようにみえる。しかしこれは

極左」「左翼」「中道」「右翼」「極右」

と並べたときに左端と右端の両方に位置するもののどちらにもアレルギーを持たないから自分は偏っていないと思っている可能性が大きいと思うのである。しかし実は上の「極左」と「極右」は非常に近いものなのだ。ハイエクは「同じようなタイプの心を持った人々」といっている。
「右傾化」の正体 - 国家鮟鱇


よって上で右端にあった「極右」を左にもっていくことが可能であり、するとこうなる。

「極右」「極左」「左翼」「中道」「右翼」

このとき、自分は「極右」「極左」だけでなく「左翼」「中道」「右翼」にもアレルギーを持たないと、日本にあてはめれば「共産党」と「田母神氏」だけでなく「民主党」や「自民党」にもアレルギーを持たないというのであれば不偏不党と一応はいえるかもしれないが、そうでないのなら不偏不党は単なる錯覚で、「共産党」にも「田母神氏」にもアレルギーを持たないのではなくて、「共産党」と「田母神氏」が自分の思想に近くて好きだということであろう。