浦島太郎の謎 2

書きたいことが山程あるので話が散漫になってきた。もう一度基本に戻る。


「浦島太郎」にカットされた真の結末 永遠の命もつ鶴に生まれ変わる - ライブドアニュース

番組は「浦島太郎って、結局何を伝えたいの?」と題し、

この「浦島太郎」が教科書に載ってる「浦島太郎」を指すのなら、答えは
「日本にはこういう昔話があります」
ってことじゃないでしょうかね?それ以外には特に意味ないんじゃないだろうか?


それ以外の浦島説話にしても多少教訓的なものが含まれているかもしれないけれど、
基本は「過去にこういうことがありました」ってことでしょう。


そもそも、この話を語る者は本気で史実だと信じているわけではないだろうけれど、語りとしては史実として語っているわけで、それに対して「何を伝えたいの?」というのは、たとえば
Aさん「昔、本能寺の変という事件がありました」
Bさん本能寺の変は何を我々に伝えたいの?」
という会話をしているようなものでしょう。何を伝えたいも何も、そういう出来事があったというだけの話であって、そこから何か教訓を得ようと思えばできないことはないけれど、教訓を伝えるために本能寺の変が起きたわけではない。


もちろん過去の出来事の中からなぜそれが選ばれたのかという問題があるけれど、それも極めて単純な話で「普通ではない出来事」だからでしょう。亀が龍宮城に連れて行ったり、玉手箱を開けたら老人になったりすることは滅多にあることじゃないですからね。


「何を伝えたいのか」という疑問が出てくるのは、この話が「何かを伝えるために作られた創作物だ」と考えているからであって、その考え自体が基本的に正しくないのである。


いや、もちろん「浦島太郎」の物語が実際にあった出来事のはずはないけれど、なぜ、どのような目的でこのような物語ができたのか知るすべは我々には無いのであり、しかしながら多様な要因が複雑に絡まり合ってできたのだろう推測するのが妥当であろうと思われ、これは「浦島太郎」に限らず、神話・伝説というものは大抵そうやって出来上がっているものであろう。