「丁字路」と「T字路」と「パンチー」

「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出 - ねとらぼ

漢字の「丁」の字のような形のものを表す伝統的なことばとして、「丁字(形)<ていじけい>」というものがあります。これは16世紀はじめの文献にはすでに見られます。そして明治時代の小説などでは、「丁<てい>字路」ということばが頻繁に使われています。

その後、英語のアルファベットが一般に普及するようになり、「Tシャツ」などといったことばも出てくるようになりました。こうした時代背景のもとに、「丁字路」のことを「T字路」と言う人が出てくるようになりました。これは、「丁」と「T」の字とが似ているだけでなく、「テイ」と「ティー」という音も似ているためです。

丁字路? T字路? | ことば(放送用語) - 最近気になる放送用語 | NHK放送文化研究所


本来は「丁字路」だが字の形が似ているのと、発音「テイ」と「ティー」が似てるので「T字路」に変化した。これは説明されるまでもなく予想できた。「T」を「てー・てい」と発音する年配の人は多い。同じく「D」は「デー」。俺が子供だったときはむしろこっちが一般的だったと思う。はっきりとは覚えてないけど、俺自身が「テイ」と発音してたんじゃないかと思う。「トマト」を「トメイトゥ」、「ラジオ」を「レディオ」と普通言わないように、普通の会話では「テー」で、洋楽のアーティスト名やタイトルとかは「ティー」で使い分けてたんじゃないかと。「ティー」と発音するのが圧倒的になったのはそれほど昔のことじゃないと思う。「IT革命」を「あいてー革命」と呼ぶのが不自然になった頃が節目ではなかろうか。


俺は「T」は「ティー」と言うのが現在では一般的だけれども、NHKのアナウンサーは今でも「テー」と読むのが基本だと思い込んでいた。最近毎日のように報じられる「TPP」がニュースで「ティーピーピー」と読まれているのを聞いて、「TPP」は「ティーピーピー」と読むんだと、つい先日思ったところ。ところが検索してもNHKにそういう規則があるという話はヒットしないのであった。俺の勘違いか?ただしNHKニュースでアルファベットを違和感のある発音で読んでることがたまにあるように感じられ、いちいちメモしてないんで具体的に何だったか思い出せないんだけれど、あれは何なんだろうと思うことはある。


で、それに関して調べてたところ、ティー」か「チー」かという話ならあった。
「チーム」が「ティーム」に。NHKのテロップと発音はなぜ違う?|三谷流構造的やわらか発想法|ダイヤモンド・オンライン

俺は全く気付かなかったんだけれども、NHKには「ティーム」と発音するアナウンサーがいるという。その理由として考えられるのが

 1985年発行の『NHKアナウンス・セミナー』によれば、外来語での「ti」「di」の発音について、

 ・第一原則は「ティ」「ディ」とする
 ・第二原則として慣用が熟している言葉は、「チ」「ジ」とする

 のだそうです。もともとアナウンス部では第二原則に従って「チーム」と発音していましたが、第一原則派が「ティーム」とやり、そして局内で徐々に第一原則派が勢力を伸ばして、今に至ったとか……。

ということだそうだ。「ティー」か「テー・テイ」かという問題は認識していたが「ティ」か「チー」かという問題は認識してなかった。考えてみれば「大名古屋ビルヂング」とか「ヂーゼル機器」とかあって、それは知ってるけれども、これらは「di」だから「ti」までは気付かなかった。考えてみれば「チケット/ティケット」「アーチストー/アーティスト」とかいっぱいあるのに…


ところで「パンチー」である。「パンチー」とは「パンティ・パンティー」のこと。「パンティ」自体が死語扱いされているようだが、漫画などでスケベオヤジが「パンチー」と言っているというのも滅多にお目にかからない(あえて死語を使うというのではありそうだけど)。で、この「パンチー」というのは、俺は「パンツ」を「おパンツ」「ぱんちゅ」とか言ったりするように、「パンティー」をスケベに表現する言葉だと思ってた。しかし「ti」を「チー」と発音するということからすると、これはおふざけでも何でもなくて普通に英語の「panties」を「パンチー」と発音することがあったのかもしれない。


ただし、今のところ未確認。だから、そういうことがありえるかもしれないということに今まで気づかなかったという話。