雉退治伝説

「桃太郎」と似てるけど、ここでは鬼ではなくて雉を退治する話。


『八重羽のきじ』(ぎふデジタル絵本ひろば)


岐阜県恵那市に伝わる伝説。信濃の住人根津甚平是行が八重の羽をもつ雉を退治する話。甚平は馬に乗り、犬と鷹を引き連れて退治に向かうが、力尽き、馬と犬も死んでしまったそうだ。


関戸宝篋印塔
こっちの説明はちょっと違っていて、死んだのは鷹匠と鷹と犬だそうだ。


ちなみに『保元物語』に根津神平という人物が出てくる。ついでに時代が全然違うけど、長篠合戦で討たれた武田方の武将に根津甚平という名前が見える。子孫だろうか?


ところで、「八重の羽をもつ雉」だから「八重羽(やえば)の雉」と呼ばれているわけだけど、塩尻市にある史跡紹介では、「刃(やいば)の雉」になっている。根津甚平は「鷹狩りの名人」「鷹遣い」と伝えられているようだ。


鷹使石(木曽路ネット)


で、「刃の雉」なんだけど、同名の妖怪が静岡県掛川市にいて、「蛇身鳥(じゃしんちょう」とも呼ばれる。妖怪を退治したのは都から来た藤原良政という人物。良政は当地で月小夜姫と結婚し、小石姫が生まれる。この小石姫の伝説も興味深いんだけど長くなるので省略。