宇宙戦争(ナスカの地上絵編)

ナスカの地上絵が宇宙人の飛行場だという説は、その筋では著名なドイツ人、エーリッヒ・フォン・デニケンによるもの(『未来の記憶』1968)。


デタラメもいいところのトンデモ説だが人気があった。素直に信じちゃった人もいただろうが、全面的に信じているわけではないが、その中に何かしらの真実が含まれている可能性はあるのではないかと思った人も多かっただろう。確かに地上絵には謎が多い。宇宙人が関与している可能性は少ないにしても、万一ということがある。デニケンが唱えなくても誰かが唱えただろう。


しかし、当時と今とでは状況が違う。地上絵の研究は未解明の部分が多いとはいえ着実に進んでいる。当時、宇宙人が関わった可能性が「万一」あったとするなら、今では「万々一」「万万万一」くらいになっているだろう。


町村官房長官の「そうじゃないと、ナスカ(南米ペルー)のああいうの(地上絵)、説明できないでしょ」発言は、トンデモ発言だけれど、40年前なら、やっぱりトンデモ発言ではあるけれど、少しは信憑性があったかもしれない。1944年生まれの町村氏が若かりし頃、そういう説を聞いて、そのまま、特に専門的な関心を持たずにいて、時たまテレビでその手の超古代史の番組を見たりして、そういう考えを今も持ち続けていたってことなんだろうと思う。

古代文明の謎はどこまで解けたか (2) 地上絵と伝説に隠された歴史・篇

古代文明の謎はどこまで解けたか (2) 地上絵と伝説に隠された歴史・篇