家康は１５４３年に三河の岡崎で生まれた。幼名竹千代。元服して松平元信、後に元康。「松平」は奥三河の地名である。なので家康は三河人だ。
だが、幼い竹千代は２年間織田信長の人質になった後、１５４９年に駿河の今川義元の人質となり、駿府で成長した。１５６０年、桶狭間で義元が討ち死にすると岡崎に戻り独立したが、１５７０年には本拠地を浜松に移し、さらに１５８５年駿府に移動。１５９０年江戸城に移り、１６０７年駿府に隠居。１６１６年死去、久能山に葬られる。駿府にいた期間が一番長い。浜松にいたのは、駿河を攻略するためであったろうし、江戸にいたのは秀吉によって半ば強引に移転させられたのだろう。家康は駿府にこだわりがあった。家康は駿河人？
三河生まれだから三河人という線で考えたとして、三河は駿河今川家の庇護下にあった。「駿河」を地域名と考えれば、家康は三河人であって駿河人ではないけれど、「駿河今川帝国」の領域内だとすれば「駿河人」。ただし今川義元は桶狭間の直前、三河守に任じられた。駿河人義元の庇護下ではなく、三河守の配下にある三河人とも言える。
駿河育ちの家康のために三河武将が命を賭して働いたのは、それが三河武士の利益になるだろうと信じたから。家康もまた彼らの利益のために働いた。でも、三河と駿河どっちが好き？って聞いたら駿河って答えたりして（わからんけど）。
で、今は「郷土三英傑」。もちろん「愛知県」の。
