ネットの世論調査が正しいという「ネット世論」

根深いマスメディア不信からか、このことをネタに、世論調査の「偏向」を疑う意見がネット上で散見された。むしろネット投票の方が正しいのではないか、というわけだ。

SYNODOS JOURNAL : 世論調査をめぐる3つの「幻想」 山口浩


山口浩氏は「ネット上で散見された」と言うけれども、これ自体が「ネット世論」であって、そういう主張が目につくからといっても、ネット社会全体の中で占める割合は、ごく僅かではなかろうか。


もちろん山口氏も指摘するように、マスコミの世論調査が「まったく公平で完全に中立だ」とは言えないのは確かだろうし、それ故に不信感を持っているネット住民は多いだろうけれど、いくらなんでも、今回の民主党代表選をめぐる世論調査のように、真逆と言えるほど大きく異なる結果が出た場合に、今の日本でマスコミが情報操作しているなんてことを考える人間が、世の中にそれほど大勢いるなんてことは、およそ考え難いことだ。


それに、ネットの政治系の記事を頻繁に見ている人(山口氏も多分そうだと思うけれど)ならば、今回のマスコミの世論調査を批判している連中の中心にいる人々が「いつもの面々」であることに気付くはずだ(気付かないはずがないとすら思う)。


※ちなみに「いつもの面々」の一例
マスゴミによる世論調詐ねつ造:歴史の真実: 植草一秀の『知られざる真実』
(ブログの右にある「関連LINKS」を見よ)

(なお、彼は植草一秀の『知られざる真実』: 「世論を笑う者は世論に泣く」ことになる麻生首相という記事ではマスコミの世論調査の結果を「国民の意思」と言っているわけだが)。


少し前にも書いたけれど、俺は、彼等が本当にわかっていないはずがないと思う。というか一般人より余程そのあたりのことに詳しいだろうと思う。今回と逆のケースでマスコミの世論調査が自分達に有利な結果となれば、そのときは、いかにネットの世論調査が信用できないかを主張するだろう(探せば既にあるかもしれない)。そして、突っ込まれても、そのときは、彼等の中でのみ通用する理屈を述べ立てて正当化して、彼等の中でのみ納得するんだろうと予想。


というわけで、いかに懇切丁寧に説明したところで無駄だろう。これも前に書いたけれど、彼等は仲間内での結束を強めることが(自覚してるかはわからないけど)本当の目的だと思うから。実際彼等はブロガー連盟とか作るの大好きだし。


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