物理学者が神を否定するのは領域外の行為ではない

CNN.co.jp:ローマ法王がホーキング氏に反論「宇宙は神の創造物」
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どうも、科学者が神を否定するのは「専門外のことに口を出している」という認識が一部にあるようだ。しかし、それは誤った認識でしょう。


何でそんな認識が出来てしまったのか?


一つは、日本限定の話だけれど、菊池誠氏のニセ科学入門」の影響でしょうね。

 一方、「ニセ科学」という言葉で超能力やオカルト、心霊現象、あるいは星占いのたぐいを思い起こす向きもあろう。この中で超能力(テレパシーや予知、念力など)については「超心理学」という学問分野まで存在するので「ニセ科学」と呼べるだろうが、オカルト・心霊などはそもそも「科学的」な外観を持たないので、ニセ科学とは呼ばない。オカルト信者自身、オカルトを「科学」とは考えていないだろう。

ニセ科学入門


「超能力やオカルト、心霊現象、あるいは星占いのたぐい」を「ニセ科学」として扱わないということが、なぜか「科学は神を扱わない」と曲解されているのではないか?


もう一つは、これは昔からあるけれど「科学は価値判断をしない」ということに関連して、科学と宗教の存在意義は異なるというような話から、「科学は神を扱わない」と発展していったということもあるのかもしれない。



しかし、「宇宙の創造に神が関与したのか」というような問題は、宇宙論の重要なテーマであって、決して領域外の話ではない。


真っ当な科学者なら常識の範疇だろうとは思うけれど、ネットの反応を見るとそれがわかってない人が多そうな感じ。それについて俺なんかが書いても誰も信じないだろうし、ちゃんとした科学者が説明する必要があるのではないかと思う。



※なお、ホーキング博士の「宇宙誕生に神が必要ない」という説が正しいとしても、それでもって神の存在を否定できるのかといえば、それに対する批判は既に科学者によってなされている。
ホーキング神の不在を語る - 国家鮟鱇
これはおそらく「理神論」「汎神論」との対立なんだと思う(詳しくないんだけど)。

理神論 - Wikipedia



前に書いた記事
科学の限界 - 国家鮟鱇