ステレオタイプな説明

人には個性があり、同じものを説明するにしても、説明する人によって違いがでてくる。百科事典の同じ項目でも、出版社によって記述している人は異なるので一つの事典だけで満足するのではなく、複数の事典を参照するのが好ましいし、ネットで調べる場合も同様。


ところが、中にはどこを見ても、ほとんど同じ説明しか存在しないということがある。一体どういうわけか?


一つは、もはや異論などありそうもないほど確かなことだから、どこも似たり寄ったりの説明になっているという可能性。これは問題ない。自然科学の分野だとたくさんありそうだ。ただし、それでも普通は個性が出てくるだろう。


もう一つは、その分野に関する研究があまりなされておらず、昔の学者の主張が引用され、さらにそれが孫引きされてという形で受け継がれているという可能性。どこも同じことを書いてるから、確かなことだろうと思ったら大違い。元をたどってみれば根拠薄弱なんてこともあるだろう。


たとえば「狼=大神」説。


ヤマイヌ・「ヤマイヌ目次」
の著者が「狼=大神」説の起源を詳しく調べている。

ところで、「日本狼」について書かれた本を数冊も読むと不思議な気持ちになります。というのも、「日本狼」の話には「狼は古くから神として尊ばれていた」という「古代の狼(おおかみ)観」がつきものなのです。しかも、その書き出しの「古くから狼は」という言葉もその内容もそっくり同じです。余りに語り口が同じなので異様な感じさえ受けます。

皆が同じような事しか語らないという事は、誰もが同一の根拠をもとに語っているということを意味してないでしょうか。たったひとつ根拠から導き出された内容なので、本当は同じようなことしか語れないのかもしれません。


これと同じようなことは、そこら中にあるだろうと俺は思う。