神武天皇は実在した!!(その2)

ところで俺が思うに神武天皇に関する日本史研究の立場は、神武実在論(何らかの史実を反映しているという主張を含む)と、神武非実在論のニ項対立になっている感がある。


学界の主流派神武非実在論であろうが、これは単に神武が実在しないという説ではなく、神武は架空の人物であり、大和朝廷の権力正当化のために創作されたという主張が大部分を占めており、そのため、記紀の神武伝説を軽視する傾向があるように思われる(にもかかわらず天皇のルーツが大陸や朝鮮半島にあるというような説にはこの伝説が影響しているようにも思えるが…)


俺は神武天皇は実在しないと考えているし、何らかの史実を反映したものだとも考えていないけれど、そういう意味での神武非実在論には与しない。


記紀の神武東征伝説はあくまでも伝説ではあるけれど、そのような陰謀によって創作されたものではなく、故に古代の人々はその伝説を真実であると信じており、それが大和政権の成立に大きな影響を与えたのだろうと考えている。


しかし、そういう立場の主張はあるのかもしれないが、俺は見たことがない。二大勢力の対立だけがあって空白になっているように思うのである。