⇒はてなブックマーク - 【消えた偉人・物語】神武天皇 古代史学の進展で実在確かに - MSN産経ニュース
俺は再三書いているように神武東征伝説は神話であって史実ではないと考えている。しかし、このように神武実在説に対する批判が圧倒的多数であるのを見て違和感を覚える。
なぜなら、神武東征伝説は史実ではないというのが学界の多数派だろうと思うけれど、一方、在野では神武東征を史実(または史実を反映している)とする考えの方が多数派だというのが俺の印象だからだ。
試しに「神武東征 史実」で検索してみると、肯定派が多数だ。
⇒神武東征 史実 - Google 検索
そして、神武実在を否定する人達は、では、記紀の継体天皇の記述は王朝交替があったことを示しているとか、天孫降臨神話は天孫族の出雲族に対する侵略行為を神話化したものだとか、あるいは桃太郎伝説は平和に暮らしていた鬼(渡来人)に対する侵略行為だとかいう説に対してはどういう反応を示すだろうかと考えた場合、俺の予測では「神話・伝説は史実を反映したものではない」としてこれらも否定する人はどれだけいるだろうか?むしろこれらについては肯定する人の方が多いんじゃないかと思ったりする。むしろ学歴が高い人の方がそういうのを支持する傾向にあるとも思ってる。(実際に聞いて見なければわからないけれど)。
神武実在説にしたって、2600年以上続く皇室の歴史を寿ぐみたいな文脈であれば否定的意見が圧倒的になるけれど、皇室の祖が渡来人であることを示しているとか、先住民であるナガスネヒコやツチグモ一族への虐殺行為を正当化したものという文脈で語られたら、神武という人物は存在しないがモデルとなった出来事はあったみたいな形で肯定的意見が増えたりするんじゃないのと思ったりする(これも実際に聞いてみなけりゃわからないけど)
※ なお捏造説にも、別の時代の史実を神話に反映させたものという説が含まれており、神話を神話として考察するという考え方は現代の風潮では極めて少数派であろうと思うのである。「日本神話」は神話ではないという主張も強力にあるし。