⇒「江戸時代に戻ればいい」 - 一本足の蛸
経由
⇒バブルでGo! - シートン俗物記
江戸時代は極端にしろバブル時代になら戻れるんじゃないかという話。
確かに平成22年(2010)における家庭部門の電力消費量は平成2年(1990)と比較して65.8%も増えている。逆にいえばバブル時代の生活水準に戻れば大幅に消費電力を削減できる(ように見える)。その程度の生活水準なら許容範囲ではないのか?しかも家電機器は省エネ化しているから、当時よりも消費電力を抑えられるはず(であるように見える)。
しかし、そう単純な話だろうか?
問題はなぜ電力消費量が増えたのかということに尽きる。だが、それが良くわからない。我々は当時と比較してそんなに豊かになったのか?
シートン氏も
何がそれほど電力を喰うようになったかは自分には判らない。
と書いている。
俺も調べてみたが、大雑把な説明はあるけれど、大雑把すぎてわからない部分が多い。知りたいのはバブル時代との比較なのだが、60年代や70年代からのグラフだとその期間の変化が読み取りにくい。具体的な数値を知りたいのだが探すのは非常に手間がかかる。
てなわけで、よくわからないのだが、それでも少しはわかる。
一つは世帯数の増加。1990年から2010年の間に世帯数は約27%増加した(総人口は4%増)。そして平均世帯人員は15%減。世帯人員が減れば世帯当りの消費電力は減るはずだが、効率は悪化するので1人当りの消費電力は増える。さらに、生活水準に変化がなければ減るはずの世帯当り消費電力が約20%増えている。
世帯数の増加と、世帯当り消費電力の二つの要因で家庭部門の消費電力は大幅に増えている。個人が実感するのは世帯当り消費電力の方だから65%増えたといっても実感がないのは当然の話。
では、なぜ世帯当りが増えたのか?65%ではなく20%増えたといっても、まだピンとこない部分がある。詳細な分析を知りたいところだだ満足できるものは見つけることができなかった。
一応考えられるのがエアコンの普及。ルームエアコンの普及率は63.7から89.0%に上昇した。さらに100世帯あたり保有数量は114.0台から263.1台と2倍以上になった。またファンヒーターの保有台数も約2倍。衣類乾燥機も2倍。パソコンは100世帯あたり11台から118台。食器洗い機は0台から30台へ。
もちろん省エネ化が進んでいるので台数が2倍になったから消費電力も2倍になるということではないが、それを相殺しても増えていると思われる。
また暖房機器の場合、灯油ストーブからの切り替えということが考えられる(灯油の消費量はほぼ横ばい)。その場合、暖房のスタイルが変化しただけだと考えれば、豊かさの実感は湧かないかもしれない(むしろ光熱費的にみれば「節約」という感覚になってるかもしれない)。
で、バブル時代に果たして戻れるのかといえば、俺はよくわからない(話が単純でないことはわかる)。よくわからないが考えるべきことは山ほどありそう。