またまた本郷和氏について。
⇒『満済准后日記』応永三十三年三月十三日条 - 我が九条−麗しの国日本
就雑熱、自御所様医師所阿弥被召下。馬足形風情云々。
発熱したのは義持ではなく満済だというWallerstein氏の解釈が正しいことはほぼ疑いない。
ただ気になるのが「馬足形」。「おできは馬足形」と本郷氏の解釈を受け継いでいるけれど、原文に「おでき」とは書いてない(一瞬「風情」に「おでき」の意味があるのかと思ったが、そういうことではないだろう)。
で、「馬足形」で検索すると「ウマノアシガタ」とある。別名「キンポウゲ」。植物の名だ。そして薬草でもある。
⇒ウマノアシガタ
茎の液汁が皮膚につくと赤くはれたり水泡が出来る。
誤って食べると下痢、嘔吐、胃腸炎、麻痺、幻覚などを起こし、死に至ることがある。
中国では搗き砕いて、はれもの、皮ふ病のぬり薬として用いることがあり、日本では扁桃腺炎を外湿布によって治療する民間療法があったが、薬草としての利用は少ない。
薬用としての利用には、全草及び根をマラリア、黄疸、頭痛、関節痛などに用いる。
とある。もしかして「馬足形」とはこれのことではなどと思ったりする。
その他
⇒ウマノアシガタ
ウィキペディア
⇒キンポウゲ科 - Wikipedia
ただし「馬足形風情云々」をどう訳せばいいのかわからない(「ウマノアシガタが原因みたいだ」という意味か?)
もちろんキンポウゲじゃくて「おできは馬足形」で合ってるのかもしれないけれど。
(追記)
馬足形の名前の由来
⇒J-field’s アウトドアBlog〜自然の中へ遊びに行こう!〜
江戸時代に命名されたのならキンポウゲとは何の関係もないことになるが別の説もある。
(追記)
重大な勘違いをしていたようだ。
「雑熱」=「腫物」(おでき)
であった。
⇒〈研究余滴〉小さな語誌 : 「雑熱」について
ただ、それで「おでき」が馬足形のようだということになるのかは一応保留。だってわざわざ医者が来て「馬の足型みたいなおできですね」と言うのも何か腑に落ちないから。