⇒「イタリアのシンドラー」、実はナチス協力者だった? 国際ニュース : AFPBB News
この見出しを見て「イタリアのシンドラー」と呼ばれている人物はユダヤ人を救ったけれど、ナチスに協力したこともあったということが明らかになったという意味だと思った。本当は協力したくはなかったんだけれどせざるを得ない事情があって少しだけ協力したとか、さらにはユダヤ人を救うためにはナチスの協力者のふりをした方が有利だからしたのに潔癖主義者がそれを見つけて叩いているとかいった話なのではないかと思った。でも、全くそういう話ではなかった。
セントロ・プリーモ・レーヴィのナタリア・インドリミ(Natalia Indrimi)所長が6月7日付でホロコースト記念博物館に送った書簡によると、パラトゥッチ氏がフィウーメの警察署長だったことはなく、また当時フィウーメにいたユダヤ人は500人程度で、その8割はポーランドのアウシュビッツ(Auschwitz)にあった強制収容所送りとなっていたという。
そもそも「イタリアのシンドラー」と呼ばれることになった事績が存在しなかったということですね。
じゃあ何で今まで「イタリアのシンドラー」と呼ばれてきたんだろう?
イスラエル政府のホロコースト追悼記念館「ヤド・バシェム(Yad Vashem)」もパラトゥッチ氏を表彰。ローマ・カトリック教会の故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)は同氏を殉教者として、聖人に次ぐ福者に列した。
とあるからには、単なる都市伝説ではなく、それなりの根拠があるものとして信じられてきたということでしょう。
イタリア語版ウィキペディア
⇒Giovanni Palatucci - Wikipedia
イタリア語は全くわからないので自信ないけれど、どうやら親族が年金欲しさででっち上げたということらしい。
しかしイタリアでは有名人だというのに、何で今までこんな基本的なレベルでの間違いがわからなかったのかというのは物凄く不思議。
Servo di Dio Giovanni Palatucci
なお、この人物の伝記はテレビドラマにもなっている。
⇒Rewind - la Fiction, la Storia, le Storie, Senza confini - Il commissario Palatucci
※ この映画だという情報があるのだがタイトルも主人公の名前も内容も異なる。別の「イタリアのシンドラー」だと思われ。
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(追記)
同氏を称賛するミラノの民間団体はこれを否定。ロランド・バルガーニ副代表は、本紙に「氏の功績は、ユダヤ人から寄せられた手紙や文書が証明している」と強調した。