絶対量が不足してれば物不足になるのは当たり前


これもおかしな話。「江戸時代の農民は米を食べていたか?」という問題でよく言われることだが、5公5民などという税率で米が武家に徴収される。しかし武士は全人口の1割程度しかいないのであり、彼らがたらふく食べたとしても胃袋には限界がある武家が自家で消費する分以外は市場に流通することになる(それで農民が米を食べていたという結論になるとは俺は思わないけど)。


パンや肉が軍隊や軍の高官に優先的に配分されるにしても物資が豊富にあれば物不足にはならない。今の日本で国会議員や自衛隊員が優先的に米を買えたとしても特に何の支障もない(非常事態になれば別が)。米国には超富裕層がいるけれど、超貧困層はともかく低所得者でもスーパーで食料を買うことができる。


絶対量が決定的に不足していれば物不足になるのは当然だ。軍や政府高官に優先権がなくても、それは庶民が手に入れられる確率が多少増えるというだけで物不足なのは変わらない。


日本では米やパンは十分あるだろうけれど、人気アーティストのライブチケットや限定グッズは絶対量が不足しているので、欲しい人は誰でも手にいれることができるわけではない。手に入れるためには行列に並ぶとか、闇市場(ダフ屋)で手に入れるか、あるいはコネを持ってればコネを使うとかになり、それはソ連と同じ。


なぜソ連では物不足が発生するのかといえば、生産量が足りてないということもあるけれど、流通制度がお粗末だったということもある。世の中は非常に複雑で予期できない事態が起きることは日常茶飯事なのに、中央が全てを管理しようとするのが土台無理な話。