「アイヌ伝説が実は創作だった」件について(その5)

『山の伝説と情話』は国立国会図書館デジタルコレクションでは

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国立国会図書館デジタルコレクション - 山の伝説と情話

となってる。俺の住んでるところでは県立図書館にも置いてない。


ただ目次ならわかる。

目次
・ 日本山岳傳説系統と其の環境に就いて 藤澤衛彦/1〜31
・ 山岳傳説所感 高木敏雄/1〜10
・ 舍人と七人の姫君 吉村龍雄/1
・ 了念とお文の戀 大石敏郎/7
・ 金色輝く山の御殿 竹脇零/19
・ 殿さまと長者の娘 泉玄三郎/25
・ 涙と血汐の呪ひ草 上瓦谷利英子/33
・ 甚兵衛と戸室石 三島吉三郎/39
・ 暴君と岩窟の祕密 岸田英夫/47
・ 住蓮坂とおつる 山本善太郎/51
・ 伯母峰峠の一本足 戌亥實五郎/61
アイヌの娘ユナミの戀 木見秀峰/69
・ 生ひ育つ神子岩 正宗勇/79
・ 若い旅僧と山のぬし 西山みよ/81
・ 樵夫と羽衣の嘆き 前田守陽/89
・ 太安丸と奉行の妻 金澤治/93
・ 牧笛に纒る大蛇の戀 小川八二/101
・ 京が見える山へ 松本白濱/109
・ 戀を祕めた黄金の袋 島本貞一郎/113
・ 鷹を追ふ若小姓 有井八郎/119
・ 少年樵夫の行方 萩村長夢/125
・ 鴛鴦の歌と猛將 唐澤契草/133
・ 道ならぬ戀の鮮血 長岡吟波/143
・ 戀の血潮の追分草 吉田千代喜/153
・ 鷄に化した乙女の戀 小國比沙志/161
・ 雨を止めた樹上の犬 東はなえ/171
阿寒颪に悲しき蘆笛 永田耕作/173
・ 梨の木と昇天の龍 田中千代志/183
・ 故郷を慕ふ佛像の響 飯野映二/193
・ いもり塚復讎の生埋 酒井猶吉/197
・ 鳧の背の妹二人 青木幹介/205
・ 生蕃の兄弟と二つの星 椿楯衛/217
・ 涙に咲いた紫の菖蒲 林白鶴/223
・ 女の願ひの三尺の高さ 西川虎次郎/227
・ 黒髮を梳く山姥 田中清一/239
・ 晝寢して文藏は殺された 北村威夫/243
・ 板垣坂のお光地藏 林仁/251
・ 山の怪人あせごの萬 前田克俊/259
・ 大蛇山の女賊の血汐 長良川鵜之介/263
・ 猛虎と勇敢な少年 閔龍淵/271
・ 袖もぎ坂と千鳥の戀 清水雪美/275
・ 打碎かれた美姫の像 田中貞雄/281
・ 絶世の美人は白蛇の妖 鮑曾麗詮/291


「阿寒颪(おろし)に悲しき蘆笛」というのが元のタイトル。

ざっと作者を検索したけど、あまり著名な人はいない。

金沢 治(かなざわ おさめ、1899年 - 1982年)は日本の言語学者歌人徳島県出身。

金沢治 - Wikipedia

『快兇刃 第一篇 暗の声』 : 脚本小国比沙志、原作不言行人、主演市川百々之助・千草香子、1928年製作・公開 - 監督、『怪凶刃』の題で1分の断片が現存(NFC所蔵[9])

小國狂二 - Wikipedia
ウィキペディアに載るのはこの二人くらいか?同姓同名かもしれないけど。

西川 虎次郎(にしかわ とらじろう、1867年9月28日(慶応3年9月1日) - 1944年8月18日)は、日本陸軍の軍人。最終階級は陸軍中将。

西川虎次郎 - Wikipedia
は別人っぱい(わからないけど)。


あと『海の伝説と情話』朝日新聞社編 大正12)というのもあって、「夜光の珠か魔神か 永田耕作」が収録されている。

なお、こっちは他に「鮑を怒らした戀の海女 小倉豐文」なんてのも収録されてる。

小倉豊文(おぐら とよふみ、1899年 - 1996年6月10日)は、日本史・日本文学研究者、広島大学名誉教授。
小倉豊文 - Wikipedia


ところで、

永田さんの次男夏雄さん(88)=大津市在住=
アイヌ民族の伝説、実は大阪の男性の創作だった 本人の手書きメモから判明 (北海道新聞) - Yahoo!ニュース

この人はこの人で関西方面ではそこそこ著名人では?