2012-12-30から1日間の記事一覧

台与(壱与)は実名なのか?(その4)

第五の疑問。 遠山美都男氏は、 『魏志』倭人伝は、倭国の女王の称号と思しきものを女王の実名と誤解したのであるが、 『改訂新版 卑弥呼誕生』(講談社現代新書 2011 62p) と書いている。果たして「誤解」したものであろうか?倭人伝には「至對馬國、其大…

台与(壱与)は実名なのか?(その3)

疑問の四点目は「実名敬避俗」だ。 じつめいけいひぞくと読む。漢字文化圏では、諱で呼びかけることは親や主君などのみに許され、それ以外の人間が名で呼びかけることは極めて無礼であると考えられた。これはある人物の本名はその人物の霊的な人格と強く結び…

台与(壱与)は実名なのか?(その2)

本当に台与(壱与)は個人名なのか? 疑問の第一点は「台与」は本当に「トヨ」と読むのか?あるいは「壱与」は本当に「イヨ」と読むのかということだ。そう読まないのだとしたら奈良時代の戸籍にみえる「トヨ」や「イヨ」とは何の関係もないことになる。ただ…

台与(壱与)は実名なのか?(その1)

卑弥呼が個人名ではないというのは今や大方の学者が支持しているところだろう。「卑弥呼」という表記はもちろん大陸側による漢字表記であり、中華思想によって東の蛮族の酋長だから「卑」という字が入っていると考えて良いだろう。 「卑弥呼」は倭で何と呼ば…