邪馬台国

ドラえもん生物問題と史料批判

⇒東京新聞:ドラえもん 生物でない理由は? 麻布中入試 話題の難問:社会(TOKYO Web) 複数の学習塾が公開した模範解答は、自身の成長や生殖という二番目の条件を満たせないから、とする。 さて、この解答は本当に模範になるものだろうか?問題は <問> 右図は…

僧伽羅国

ウィキペディアには 『大唐西域記』11巻[1] 僧伽羅国(シンガラ)においてセイロン島(現スリランカ)の建国伝説として記述される。 ⇒羅刹国 - Wikipedia とあるけれど、原田実氏の記事には、 羅刹国のモデルがセイロン島に特定できるかどうかは別にして、 ⇒…

黒歯国と女国と羅刹国

羅刹国(らせつこく)は、玄奘(三蔵法師)の著作『大唐西域記』に言及された羅刹女の国である。後に近世以前の日本人は日本の南方(もしくは東方)に存在すると信じていた。 大唐西域記 [編集]『大唐西域記』11巻[1] 僧伽羅国(シンガラ)においてセイロン…

侏儒国と黒歯国(トンデモ)

トンデモをもう一つ。 「魏志倭人伝」に以下の記述がある。 女王國東渡海千餘里、復有國、皆倭種。 又有侏儒國在其南、人長三四尺、去女王四千餘里。 又有裸國・黒齒國、復在其東南、船行一年可至。 「侏儒國」の「侏儒」とは 1 背丈が並み外れて低い人。こ…

女王国の正体(トンデモ)

前に、 俺はその点全く無知だけど、現代日本語で読めば「じょおうこく」と「じょこく」である。「じょおう」は「じょおー」「じょー」「じょう」と口語では近いのではないか?倭人が「じょー」などと呼んでいたものを「女王」と表記する可能性だってあるので…

「卑弥呼」が実名でないのは良いとして

卑弥呼は実名ではなくて称号だ。古くは白鳥庫吉がそれを指摘している。研究者の間ではほぼ共通認識だと言ってよいのではなかろうか。それは良い。 問題はそれから先で、「卑弥呼」とは日巫女だとか日御子だとか姫子だとかいった話になって、「卑弥呼」とは何…

倭国・奴国・漢委奴国・女王国・東海姫氏国

中国の古代文献における日本列島の国の表記で著名なものに「倭国」・「奴国」がある。また「漢委奴国王印」も有名だ。魏志倭人伝には「女王国」が見える。また野馬台詩に「東海姫氏国」とある。 「女王国」と「女国」について考えているときに気付いたことが…

女国と女王国

現在までに図書館で10冊ほど邪馬台国関連の本を借りてきた。「女王国」に関して論じられているものは何冊かある。しかし、ざっと見た限りでは女王国は邪馬台国のことだとか、倭国連合のことだとかいったものであり、なぜ「女王国」と記されているのかとか「…

卑弥呼の「卑」

邪馬台国関係の本を数冊読んだんだが知りたい情報がなかなか手に入らない。邪馬台国関連書籍は山ほどあるからそれらを丹念に調べていくしかないんだろうか。難儀な話だ… たとえば卑弥呼の「卑」。ウィキペディアには、 一説には、中華思想により、他国の地名…

台与(壱与)は実名なのか?(その4)

第五の疑問。 遠山美都男氏は、 『魏志』倭人伝は、倭国の女王の称号と思しきものを女王の実名と誤解したのであるが、 『改訂新版 卑弥呼誕生』(講談社現代新書 2011 62p) と書いている。果たして「誤解」したものであろうか?倭人伝には「至對馬國、其大…

台与(壱与)は実名なのか?(その3)

疑問の四点目は「実名敬避俗」だ。 じつめいけいひぞくと読む。漢字文化圏では、諱で呼びかけることは親や主君などのみに許され、それ以外の人間が名で呼びかけることは極めて無礼であると考えられた。これはある人物の本名はその人物の霊的な人格と強く結び…

台与(壱与)は実名なのか?(その2)

本当に台与(壱与)は個人名なのか? 疑問の第一点は「台与」は本当に「トヨ」と読むのか?あるいは「壱与」は本当に「イヨ」と読むのかということだ。そう読まないのだとしたら奈良時代の戸籍にみえる「トヨ」や「イヨ」とは何の関係もないことになる。ただ…

台与(壱与)は実名なのか?(その1)

卑弥呼が個人名ではないというのは今や大方の学者が支持しているところだろう。「卑弥呼」という表記はもちろん大陸側による漢字表記であり、中華思想によって東の蛮族の酋長だから「卑」という字が入っていると考えて良いだろう。 「卑弥呼」は倭で何と呼ば…

邪馬台国と女国(その4)

考察しなければならないことはまだまだある。 たとえば卑弥呼の死後のことだ。俺は再三言っているように「卑弥呼は死んでいない」ということをおそらく世界で只一人主張しているわけだが、定説では卑弥呼が死んだ後に「男王」が立てられたことになっている。…

邪馬台国と女国(その3)

昨日書いたことと重複するけれど頭の整理のために。 「魏志倭人伝」には 以婢千人自侍。唯有男子一人、給飲食、傳辭出入。 と記す。 吉野ヶ里遺跡の人口は 現時点で最盛期には、外環壕の内部におよそ1,200人、吉野ヶ里を中心とするクニ全体では、5,400人くら…

邪馬台国と女国(その2)

考えれば考えるほど謎だ。 卑弥呼の宮殿は「以婢千人自侍。唯有男子一人、給飲食、傳辭出入。」と記されており、男子1人を除けば全て女性だ。一方、吉野ヶ里の環濠遺跡の人口は1200人程度だという。魏志倭人伝の記述を信じるなら環濠内の様子はまさに「女国…

卑弥呼は「邪馬台国の女王」でもないし本名でもない

2冊目。『研究最前線 邪馬台国 いま、何が、どこまで言えるのか』 (朝日選書 2011年) 。タイトルを見ると俺が求めている邪馬台国研究の現状を知る本のように思える。たが、この本は考古学が中心のようで文献史学はあまり触れられていないようだ。もちろん考…

邪馬台国と女国

「女国」とは「女性だけが住む国」である。 そんな国が実際にあるはずがない。想像上の国である。と普通は考えるだろう。 だが俺は重要なことを見落としていた。 其國本亦以男子爲王、住七八十年、倭國亂、相攻伐歷年、乃共立一女子爲王、名曰卑彌呼。 事鬼…

倭国・邪馬台国・女王国(その9)

『改訂新版 卑弥呼誕生』(遠山美都男 講談社現代新書 2011)読了。 前に「どちらも国内が乱れている時に女王になっていて、その後に国が治まっている。この点を無視するわけにはいかないのではないか?」という疑問を書いたが、それが【第六章】と【第七章…

倭国・邪馬台国・女王国(その8)

『改訂新版 卑弥呼誕生』(遠山美都男 講談社現代新書 2011)【第五章】は要約すれば、 (1)「女国」(女性だけが住む想像上の国) ↓ (2)「女王国」(女王によって統治される国) ↓ (3)「倭国」(男王の傍に特別な女性がいる)=「女国」=「女王国」 …

倭国・邪馬台国・女王国(その7)

『改訂新版 卑弥呼誕生』(遠山美都男 講談社現代新書 2011)はどうやら「卑弥呼は倭国王ではない」ということを主張している本のようだ。俺は「邪馬台国研究」の現状を知りたかったので、そういう意味では俺が求めているものではなかった。ただ、俺が知らな…

倭国・邪馬台国・女王国(その6)

ところでふと思ったのだが、「女王国」は何と読むのか?そんなの「じょおうこく」に決まってる?果たしてそうだろうか?ちょっとネットで検索してみたけれど「女王国」に振り仮名を振っているところは見当たらなかった。 「女王」の国だから「女王国」だとし…

倭国・邪馬台国・女王国(その5)

俺が考える「女王国」とは以下のようなものだ。 「魏志倭人伝」には少なくとも二種類の史料が使われている。一つは元は男王が治めていた国が分裂し、後に諸国が女王を共に立てた連合国家について記した史料。 もう一つは、東方に存在する「女王国」「裸国」…

倭国・邪馬台国・女王国(その4)

「女王国」は女王卑弥呼が統治しているから「女王国」なのだということだろうか? 気になるのは「魏志倭人伝」の以下の記述である。 去女王四千餘里又有裸國黒齒國復在其東南船行一年可至參問倭地絶在海中洲嶋之上或絶或連周旋可五千餘里 「女王」とあるのは…

倭国・邪馬台国・女王国(その3)

邪馬台国研究にも中国研究にも詳しくない俺の素朴な疑問は、なぜ「国」の使用法が複数あるのかということだ。 倭国・邪馬台国・女王国の「国」はそれぞれが示す範囲が異なっている。遠山氏によれば邪馬台国=女王国になるけれど倭国の「国」とは異なる。また…

倭国・邪馬台国・女王国(その2)

邪馬台国研究が現在どうなっているのか調べようと思って読み始めた一冊目。『改訂新版 卑弥呼誕生』(遠山美都男 講談社現代新書 2011) 『魏志』倭人伝には「女王国」という表現が散見するが、これは倭国全体を指すのではなく、女王卑弥呼の王宮が営まれて…

倭国・邪馬台国・女王国

邪馬台国について俺は「卑弥呼は死んでない」という独特の考えを持っている。冗談で言っているわけではなくてかなり本気だ。それについて書きたいとは思っているんだけれど、その前に俺は「邪馬台国研究」の現状をほとんど知らない。邪馬台国の位置について…