倭国・邪馬台国・女王国(その6)

ところでふと思ったのだが、「女王国」は何と読むのか?そんなの「じょおうこく」に決まってる?果たしてそうだろうか?ちょっとネットで検索してみたけれど「女王国」に振り仮名を振っているところは見当たらなかった。


「女王」の国だから「女王国」だとしたら「じょおうこく」または「じょうおうこく」または「にょおうこく」とか何でもいいのかもしれない。


しかし、考えてみれば「邪馬台国」は何と読むのかとか、その他魏志倭人伝に出てくる「固有名詞」についてはいろいろ議論されている。「女王国」はその例外で良いのだろうか?


中国の史料には「女国」と書いてある史料もある。

 女王国という言葉自体は中国の前漢代からありましたが、わが国の邪馬台国のことは「女国」と書くのが通例だったようです。例えば、①、帯方より「女国」に至る万二千余里。(『魏略』漁豢撰)②、「女国」より以北は略載するを得。(『廣志』郭義恭撰)右の①と②は、『三国志』の直前に成立した可能性の高い文献ですが、そこにはいずれも「女国」とあります。それを陳寿が「倭人伝」の中で「女王国」に改変しているのです。

邪馬台国糸島論 生野眞好 - フォーネット


邪馬台国糸島論」はともかくこの指摘は重要だと思う。


「女王国」は「女国」を改変したものだ。いや、改変したのかはわからないが、少なくとも「女王国」と「女国」は無関係ではない。で、問題はやはり「女王国」と「女国」は何と読むのかということになる。


俺はその点全く無知だけど、現代日本語で読めば「じょおうこく」と「じょこく」である。「じょおう」は「じょおー」「じょー」「じょう」と口語では近いのではないか?倭人が「じょー」などと呼んでいたものを「女王」と表記する可能性だってあるのではないか?一方「女」と表記することだってあるのではないか?「じょ」じゃなくて「にょ」でも同じことだ。


すると「女王国」と「女国」は違うように見えるけれど、倭人の言葉では同じだったかもしれないではないか?いや繰り返すが俺は古代中国語に全く無知なんだけど。


ただ、既に書いたように俺は「女王国」は伝説上の国であって実在しないと考えている。だから倭人が「じょー」などと呼んだのを「女王国」「女国」と表記した可能性は低いと思う。


しかし、当時の大陸の知識人が「女国」とは現地人の言葉を漢字で表記したものだと理解していた可能性はあるのではないか?だとすればそれを「女王国」とも表記できると考えてそう記した可能性もあるのではないか?つまり改変するつもりではなくて「女王国」の方が適切な漢字表現だと考えてそう記した可能性もあるのではないか?


たけど、そうだとすると今まで考えてきたことはちょっと考え直さなければならない。