倭国・邪馬台国・女王国(その4)

「女王国」は女王卑弥呼が統治しているから「女王国」なのだということだろうか?


気になるのは「魏志倭人伝」の以下の記述である。

去女王四千餘里又有裸國黒齒國復在其東南船行一年可至參問倭地絶在海中洲嶋之上或絶或連周旋可五千餘里

「女王」とあるのは「女王国」のことであろう。元々「女王」だったのかもしれないが「女王国」の「国」が抜けてしまったのかもしれない。その女王から4000余里に裸国と黒歯国があると記されている。
黒歯国 - Wikipedia

次のとおり中国の書籍に伝えられる。なお『三国志』のいわゆる魏志倭人伝倭国のはるか東方にあるとされることから実在の国とする研究者も多い。韓国では黒歯常之が関係するとの説がある。

ウィキペディアにはこう書いてあるけれど「黒歯国」は伝説上の国だと考えて良いだろう。元々は実在の国だった可能性もあるけれど伝説化していったと考えるべきではなかろうか?あるいは魏志倭人伝で「黒歯国」とされている実在の国があったかもしれないが、それを素直に「黒歯国」と一致させるべきではないと思う。


※ 日本のことを「扶桑」と呼ぶ。この「扶桑」も元々は伝説の島である(さらに元を辿れば実在の島だったかもしれないし、それが日本だったのかもしれないが)。


「侏儒国」「裸国」も同様に伝説上の国であろう。『後漢書』にある「小人国」も同様。さらに「雁道」や「羅刹国」などという国もある。


で、問題は「女王国」である。倭国が女王に統治されているから「女王国」と命名したのか?それとも「女王国」も「黒歯国」や「裸國」と同様に伝説上の国であり、たまたま倭の諸国が女王を共立していたので「女王国」と見做したのか?


(前者の場合、男王が立てられたら「女王国」ではなくなってしまう。後者の場合は出典が卑弥呼などの記述のない地理を記したものであって「女王国」という名前の国があると記されていたとすれば、その国の名前はずっと「女王国」だったことになる)


俺は後者の可能性が高いように思うのだが、これについても詳細に論じられているものを知らない。