恵方まき

節分に恵方に向って、太巻きをまるかぶりするという風習がコンビニの陰謀云々という話はさんざん他で紹介されているだろうから省略。
で、気になるのは、船場の商人云々という起源説話。どこまで信用できるのだろうか?
どこもかしこも判で押したように同じことを書いているけど、ソースが見あたらない。
俺は歴史が趣味なんだけど、トンデモ説を粉飾するのに「〜といわれている」が濫用されるのを見慣れているから、この程度では信用することができない。たかが「恵方巻」の話だけど、メディアリテラシーの問題と相通じるところがあると思う。


ところで、「恵方巻」ならぬ「恵方撒き」の話。
節分に豆を撒くというのは、日本全国に見られる風習だろうけど、恵方に向って豆を撒くというのは聞いたことがなかった。
学校や家でやる豆まきは鬼のお面をかぶった人に向って豆を撒いていたし、神社では年男・年女が舞台上から、参詣している人に向って適当に撒くものだと思っていた。豆だけでなく小銭を包んだものも撒いているから各方向に公平に撒かないと文句が出るだろうし…


と、今まで思っていたのだけど、「恵方に向って豆を撒く」という地方もあるらしい。らしいのだが、検索してもよくわからない。昔からそうだったのだろうか?
恵方詣り」という元日に恵方にある神社を参拝する風習があるそうだが、旧正月と節分は日が近い(今年は1/29日)。
節分に年齢の数だけ豆を食べる風習があるけど、それも旧正月と関係があるらしい。
調べてみればいろいろと面白いことが見つかると思う。


今年の恵方は「南南東」だといわれているが、厳密には違うらしいので、こだわりたい人はご注意を。(「ウィキペディア」)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%B3%E5%BE%B3%E7%A5%9E


(追記)
恵方巻の起源については、
新見公立短大(岡山県)の岩崎竹彦助教授(民俗学)が研究なさっているそうです。
兆(きざし)http://cool.lolipop.jp/blog/index.php?itemid=284
「フォークロリズムからみた節分の巻ずし」『日本民俗学』第236号(2003年11月30日)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/fsj/

また今年1/27日の朝日新聞大阪版でも紹介されているそうです。
ねこづらどき http://naokun.cocolog-nifty.com/nekozura/2006/01/post_cd21.html