だらしない企業

整理整頓ができなくて、あれがない、これがないと、あちこち探し回り、仕事している時間よりも、探し物をしている時間のほうが長いなんてこと、ありますよね。まあ、俺自身がそういうズボラな性質なんですけど。でも、よくよく考えてみれば、ズボラというのは、きちんと整理整頓した方が効率が良いのはもちろん、手間もかからず、却って楽なわけだから、ズボラであればあるほど、整理整頓すべきであるはずなんだけど、なかなかそういう風にはならない。要するに、だらしないんですね。


で、これが企業と何の関係があるかというと、


企業の不祥事があると良く言われるのが、「利益優先の企業体質」とか、「同業他社との競争のため」とかですよね。でも実は、そんな大層なものではないのではないかと思うことがしばしばあるんですね。そうではなくて、単にだらしない会社だったという、情けない理由ではないのかって思うこともあるんですね。「利益優先」なんてのは、もちろんこういう場合、批判的な言葉だけど、同じサラリーマンとして同情できるとか、そんな感情も同時に湧いてくるようなニュアンスを含んでいないこともないです。


しかし、その実態はといえば、そんな「立派」な理由ではなくて、ちゃんとしたからといって、たいしてコストがかかるわけでもなく、手間がかかるものでもなく、企業間競争で不利になるわけでもなく、ほんのちょっとの期間、少しだけ楽になる程度のことが長年だらだらと続けられてきた結果であったりすることもあるんじゃないかと思うんですね。


そんで、もうちょっとちゃんとしようよとか提案すると、「あいつは融通の利かない奴だ」とか、「真面目ぶって」とか、口では言わないまでも、そんな雰囲気が伝わってきたりして、上司は上司で「ここはお互い仲良く」なんて「和」を乱さないように「苦心」したりしてね。普段は、すぐに目に見える結果を出したほうが評価されるわけで、一方、こういうことは大事になったとき、初めて重大さがわかるのであって、しかもちゃんとしていれば不祥事が起きないので、その大切さが評価されないというジレンマがあって、提案者は損な役目を引き受けることになるわけで、それを上司がきちんと評価しなければならないんだけど、それがなかなか難しいようで。


不二家がそうだったのか今のところまだわからないけど、そういうことってあると思うんですよね。