不二家の牛乳の消費期限

いまだに、消費期限じゃなくて賞味期限ではないのかというような混乱がみられるのだけれど、不二家が使用した牛乳は「消費期限」表示のものであることは間違いありません。


その前に一応「消費期限」と「賞味期限」の定義。


消費期限」とは、

 定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。


賞味期限」とは、

 定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。


加工食品に関する共通Q&A(第2集:期限表示について)《厚生労働省》


で、埼玉県の県政ニュース。不二家埼玉工場長が川口保健所長あてて提出した報告書の内容。


⇒(株)不二家が期限切れの牛乳を使用してシュークリームを製造した件について(第3報)

◆理由及び今後の対策
(1)シュークリーム3品
 理由
 ・集乳缶の消費期限はD+3と比較的短い上に他部署から生産計画の変更等でだぶついた
  牛乳がシュークリーム製造部署へ回されるため期限切れが生じてしまった。特に月曜日
  納品の牛乳はD+2で期限が短いので期限切れが生じた。
 ・消費期限に対する認識に甘さがあり、期限切れの原材料は使用しないという社内規定が
  守られなかった。
 ・原料日付チェック表は一番古い原料のみを書く事になっており在庫管理になっていなか
  った。

ここに「消費期限」とはっきり書いてあります。


で、不二家が使用していたのは「集乳缶」であったことがわかります(って「集乳缶」というのがどういうものなのか知らないけど。搾った牛乳を何の加工もしていないものだろうか?)「消費期限」は「D+3」と書いてある。「D+3」というのがよくわからない。「N」は生産日らしい。「D」はおそらく「製造年月日、加工年月日」のこと。牛乳は「製造」なのか?「D+3」だから製造日プラス3日ということだろう。詳しいことは知らない。間違っていたらごめん。


というわけで、この牛乳は、我々が一般的に飲んでいる市販牛乳(超高温瞬間殺菌)が「賞味期限」(10日間程度?)表示なのとは違い、「消費期限」表示のものであって、期限も短いものであることがわかります。期限が短いということは、劣化が早いということであるわけで、「期限を一日過ぎた」というのを、自分の家の冷蔵庫にある牛乳の期限が一日過ぎたというのと同じように考えるのは比較対照として違うのではなかろうかと思います(「消費期限」を一日過ぎたらどの程度危険なのかは知らないけど。まあ、少しくらいなら余裕はあるだろう)。


で、その他に、この報告書からわかることは、シュークリームに使う牛乳は、他部署でだぶついた牛乳を使うことになっていたこと。先に「D+3」と書いたけど、「D」は製造日であるからして、当然のことながら牧場か工場か知らないけど、そこにある牛乳を不二家の工場に出荷するということになるので、一日といっても24時間ではない。それを他部署で使って、だぶついたものを使用するわけだから、実質的には「D+3」より、さらに短くなる(「だぶついた」というのが、いつの時点でだぶつくことになるのか不明)。さらに、「月曜日納品の牛乳はD+2」であるからして、さらにさらに短くなる。詳細不明だから推測するしかないが、かなりギリギリの運用で、だぶついた分は速やかに全て加工しなければならなかったのではなかろうか?


以上のことは、ネットで報道機関の情報を収集しているだけでは、おそらくわからない情報。新聞紙面にはもしかしたらあるかもしれないが、俺は新聞購読していないのでわからない。