レフチェンコ事件って何だっけ?

俺が右も左もわからなかった段階から、メディアを鵜呑みにしてはいけないと感じるようになるまでには、いろんな出来事があった。


70年代の後半から80年代の初頭にかけて、「反核運動」が世界的に盛り上がっていた。俺は核兵器なんてこの世からなくなってしまえばいいと思っていたから、熱心にそういう記事を読んでいた。アメリカ批判ばっかりで、ソ連批判が少ないという印象はあったが、「反核」自体は正しいことだと思っていたので、アメリカを批判することは間違ってはいないと思って、特に違和感を持たなかった、


何年のことだったか覚えてないが、広島で反核集会があって、朝日は一面やら社会面やらで、連日大きく扱っていていた。ところが不思議なことにテレビのニュースでは大きく扱われていない。さらに、たまたま見た読売新聞の記事では、警察発表の参加者数は桁違いに少なくて驚いた。この手のことは「市民」側は多めに、「権力」側は少なめに発表するだろうとは、当時すでになんとなく推測できたけど、それにしてもあまりにも差があった。正確な数字は覚えていないが、二桁違っていたかもしれない。当時の俺は「市民」側であったけれど、権力側の数字の方が実態に近いだろうと、状況から見て思った。


今ではネットで読み比べることもできるが、当時、一般家庭で複数の新聞を購読して比較することなんて普通しない。朝日だけを読んで知った世の中と、実際の世の中は違うのではないかと疑問に思ったのはこのときが最初かも。それまで、新聞は「事実」に関する部分はどれを読んでも同じだと思っていたから、これはかなりショックだった。それから急速に新聞への信頼感が薄れていった。


それからだいぶ後のことだが、当時の世界的な反核運動ソ連の謀略だったと聞いたことがあるが、詳しいことは知らない。


というようなことを考えていて、検索してみたら、「レフチェンコ」というキーワードがヒットした。そういえばそんな事件あったっけ。元KGB少佐が日本での工作活動を米議会で証言した云々。この証言が反核平和運動へのKGBの影響力についての聴聞会での証言だったんだ。知らなかった。


まあ、いろいろあったんだろうが、真相は永遠にわからないのだろう。