倭姫王の歌の謎 (1)

天智天皇暗殺説について考える」の続きだけど同じタイトルが並んでいるのもなんだから続編としてタイトル変えてみた。


ネットで「青旗 木幡」で検索して見つけたサイト。
私設万葉文庫


著作権の切れた万葉集の注釈書を中心に電子化」したもの。これは素晴らしい。わざわざ図書館に行かなくても済むのは勿論、「Ctrl + F」で検索すれば、見たいところがすぐに見つけることができるってところが素晴らしい。さっそく活用させていただいた。


その前に繰り返しになるけれど、万葉集に載る倭姫王の歌。

一書に曰(い)はく、近江天皇(あふみのすめらみこと)の聖体不与にして御病(みやまひ)急(には)かなる時、大后の奉献(たてまつ)る御歌一首
一四八 青旗(あおはた)の木幡(こはた)の上をかよふとは 目には見れども直に会はぬかも

そして、『逆説の日本史』の孫引きになるけれど、「『万葉集』桜井満訳注 旺文社刊」の解説、

山科の木幡の山の上をみ魂が行き来しているとは、目には見えるけれども、これを天皇のお体に呼び戻してじかには会えないことだ。
遊離して行こうとする天皇の霊魂を山の上に見たと信仰的に感じている。しかしこれを留めることが出来ないと嘆いているのであろう。魂呼ばいしてもどうにもならぬ嘆きを歌っている。


ネットで検索しても、似たような解釈が多いので、これが現在の一般的な解釈となるのだろう。ところが、上記のサイトで調べると、かつては違う解釈があったのであった。