いわゆる「太陽の道」は、北緯34度32分の直線上に伊勢斎宮跡、三輪山、箸墓古墳等、日本古代の聖地が並んでいるというというものだ。現在でもネットを検索すればいくらでも記事が見つかる。しかし、それが実際には直線と言える代物でないことは既に書いた。
そんなことはちょっと調べればわかることなのだ。今はネットで電子地図を利用できるので、さらに簡単に検証できる。それにもかかわらず、今でもこれがもてはやされているのはリテラシー能力の低い人がそれだけ多いということだろう。
そして、ちょっと発想を転換すれば、「太陽の道」よりも遥かに魅力的な「レイライン」を発見することができるのだ。
「太陽の道」を構成する「伊勢」と「三輪山」。これが日本古代を代表する「聖地」であることは間違いない。だが、「伊勢」といってもこの場合「伊勢斎宮」だ。「伊勢」でもっとも重要な聖地は言うまでも無く「伊勢神宮」だ。
だったら、伊勢神宮と三輪山を結んでみてはどうか?そういう発想はすぐに出てきてもよさそうなものだ。だが、ネットを検索した限り誰もやっていないみたいだ。あくまでも「太陽の道」にこだわっているように見える。
で、実際にやってみた結果がこれ。
大きな地図で見る
地図を拡大してみればわかるが、誉田八幡宮の参道が三輪山・伊勢神宮の方を向いている(ちなみに応神天皇陵の方だと三輪山を通過しない。)。
永承6年(1051年)、元の鎮座地から1丁(約100m)ほど南の現在地に遷座した。
とあるから、古代といっても末期のことになる(参道ができたのはもっと後の事かもしれない)。一応「日本最古の八幡宮」ということになっている。実際は違うのだろうけれど、そういう伝承になっているということは無視できない。
こういう魅力的なラインがこれまで指摘されていないということの方が逆に不思議。