久能山東照宮の参道

ところで『日光東照宮の謎』(高藤晴俊 講談社現代新書)には、こうも書いてある。

千百五十九段の石段を登ると、正面の参道は北々東に直進して、楼門・唐門から拝殿に至る(南北軸に対して三十度東の方角になる)。さらに、拝殿・本殿の軸線を延長すると、御廟塔(奥社宝塔・西向き)があり、さらに久能山の頂上から富士山を越えて日光へ通じている(図3参照)。

自分でもやってみた。

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久能山から日光へというのは、「久能山東照宮〜世良田〜日光」というルートで、知る人ぞ知るレイラインであり、俺も何回か書いてきた。


しかし、参道の傾きにまでは今まで注目してこなかった。今回やってみて気付いたのだが、予想に反し、参道を延長しても日光には至らない。それもちょっとやそっとの誤差ではなく、とても大きくずれている。そしてその直線上には何ら目ぼしい聖地は見当たらない。


これをどう考えればいいのか?否定論の立場からすれば、そもそもそんなものは思い込みだったのだということになるだろう。しかし、久能山と日光を結ぶと、その直線が世良田(というか正確には「太田市徳川町」だろう)を通過するというのは事実であり、魅力的な話だ。


参道は参道で別の意味を持っているのかもしれない。高藤氏が書いているように参道は「南北軸に対して三十度東の方角になる」。そのことに意味があるのかもしれない。地図を見る限りでは確かに「ぴったり」南北軸に対して三十度東。ただし、昨日書いたように正確な方位は難しい。


よくわからない。