日本的福祉システム

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不可解な日本の世論 - すなふきんの雑感日記
「不可解な世論」について考えてみる - Baatarismの溜息通信


先月、俺が書いた記事。
自由民主党は社会民主主義政党か?
自民党は「利益誘導型」である。で、その時に参考にしたのは、以下のページ。


池田信夫先生かくかたりき。
日本的福祉システムの終わり - 池田信夫 blog

会社が年金や社宅まで丸抱えで世話する日本的福祉システムは、企業がグローバル化した現在では、もう維持できないのだ。


一方、
「利益誘導政治,構造改革政治,新福祉国家」(関野秀明 注:PDF)

以上の利益誘導政治の役割とは、「中間層に対して福祉国家の代替的機能を発揮してきたこと」である。利益誘導政治と結びついた地域中間層は福祉国家よりも土建国家を志向する。つまり「中間集団が地域福祉の担い手として機能するかぎり、福祉国家に対する社会的需要は地域・家族社会内部に封じ込まれ」「地域・地縁の相互扶助が福祉国家の代替的機能を担ってきたのである(二宮(2002)38-39頁)。

(中略)

そして戦後日本の「未熟な福祉国家」の特徴は「第一段階」水準のかろうじての成立と「第二段階」水準の不在・脆弱+企業社会、利益誘導政治による代替であるとされる。

池田氏と同様の認識があると思われ。


ちなみに(二宮(2002))というのは、『日本経済の危機と新福祉国家への道』(二宮厚美 新日本出版)のこと。関野・二宮氏のことは良く知らないけれど「新日本出版」ということから大体想像がつく。


要するに今の日本には「共通認識」を持ちながらも、従来の利益誘導、企業福祉型を維持しようとする人達と、それではやっていけないという池田信夫氏のような人達と、さらにその先の「新福祉国家」を目指そうとする人達と、それとは別にこの「認識」を共有していないで不可解だと思う人達が存在するというわけですね。