居酒屋論

よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」 - 活字中毒R。
なんかすげー話題になってるんで参加したいんだけどさ、俺は下戸なもんで居酒屋に詳しくないんだよね。俺にとって居酒屋とは酒飲むところというよりランチ食うところ。


なんだかよくわからん。


店長が悪いって意見があって、そりゃ店長は悪いかもしれないけれど、それじゃ、たまたま行った居酒屋の接客が悪かったって話にすぎない。そういう話じゃないはずだ。それは、「都会のチェーン店で起こっていることの縮図」だとか、「東京の居酒屋は役所になってしまったのだろう?」と書いていることからもわかる。


しかし、まさか居酒屋チェーンのマニュアルに「バイトを叱るときには、客に聞こえるようにすること」なんて書いてあるはずもなし。そして居酒屋に限らず接客業の経営者であれば、吉本ばななに言われるまでもなく、顧客への柔軟な対応の重要性については良く知っているはず。そして社員教育でも好事例の紹介なんかしてるはず。


あと、この本が出版された2006年のばななさんが知る由もないことだけれど、今の大不況で、居酒屋チェーンが失業者の大量採用をしていることはニュースで我々の良く知るところ。


あと、テレビの特集でもよくやってるけれど、企業は客のクレームに敏感。それがどんな無茶なクレームであってもだ。だって客は客だもの。客が馬鹿だとしても、その馬鹿な客が満足して、なおかつ利益が出るような対応策を考えるのば商売ってもの。


で、あれだ。吉本ばななの尊大な態度がどうこうというより、ファストフード批判とか、マニュアル化して融通の効かない接客批判とか、そこらのおっちゃんでも普通に言ってる「耳タコの定型化した批判」を書いて、そんで金が貰えるのって何なの?ってそっちの方がアレですね。まあ、これも読者という顧客のレベルに合わせた商売の好事例ってことになるのかもしれないけど。