野菜が値上がりしたらその分を国がキャッシュバックします法案

太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』
5月14日提出マニフェスト

一般視聴者の投票結果 反対64% 賛成36%


反対理由として「自分達が納めた税金が使われるわけだから、意味がない」「税金に跳ね返ってくるだけ」「また税金があがるのじゃないか?」とあり、財源問題からの反対が圧倒的。これテレビで見てたし、2ちゃんねるの実況も見てたけれど、そういう意見が多かった。そりゃ、まあ、そうだ。


だけど、もっと大きな問題を忘れてはいけないだろう。それが何かといえば、そんなことをしたって、野菜が増えるわけではないということ。


そもそも、何で野菜が値上がりしたかといえば、天候不順で収穫が減ったからだ。


これが高額のエコ商品の話だったら、補助金出す→手頃な価格→需要が増える→生産増、ってことになるかもしれないが、これはそういう話ではない。今から増産したって間に合わないし、増産された頃には今度は獲れすぎで価格暴落、農家は壊滅的被害、価格調整のための大量廃棄なんてことになる。


そして、品不足ということは、その商品を欲しい人が誰でも手に入れることができるわけじゃないってことだ。したがって、誰かが我慢して、本当に欲しい人の手に渡る必要がある。そのためにはどうすればいいのかという問題だ。そのために市場がある。商品をどうしても入手したい人は高い価格をつけ、そこまでの価格では買いたいとは思わない人は脱落する。需要と供給がマッチしたところで価格が決まる。


もし、キャッシュバックなどという制度があったらどうなるか?消費者は財布を気にせず、品不足にもかかわらず、いつものようにキャベツを買うだろう。するとたちまちキャベツは店先から消えることになる。


どうしてもキャベツが食べたい。いくらでも金を出すといっても手に入らない。それでも食べたければ、キャベツを入手した人に金を積んで売ってもらうしかない。さすがにその取引でキャッシュバックはなかろう(あったとしたら仲間内でキャベツ転がしをすれば大儲けできる)。


そんなことするくらいなら配給制にしたほうが良いと思う。本当にやばくなったら、そうなるだろうけれど、最近あった野菜高騰程度でそこまでする必要があるとも思えない。


とにかく、こんな制度は最悪だろう。これに賛成した人はもちろん、反対した人も、そこんとこがわかっているのかって疑問になってくる。でも商売に何らかの形で関わっている人なら、そんなことわかっていて当然ではないかと思うから、それじゃあなぜ、そういう意見が見えないのかって疑問が沸くが、それは、こういう問題で発言する人には、こういうことに疎い人が多いのかもしれないとも思ったりするが、大いなる謎ではある。