関越道バス事故について

事故のニュースを聞いて、俺も高速バスを何度も利用しているし、これからも利用するつもりだから他人事じゃないなと思った。


ただ俺が利用したのはJRや私鉄の関連会社のバスだが、今回の事故を起こしたバス会社は正社員が5〜6人だというのを知って驚いた。知ってる人は多いのだろうけれど、路線バスとツアーバスがあって形態が異なるのだという。

高速バス - Wikipedia
ツアーバス - Wikipedia


報道によれば、ツアーを手配した大阪府豊中市の旅行代理店「ハーヴェストホールディングス」は

普段は別のバス会社に運行を依頼していたが、大型連休などの繁忙期には増便し、針生エキスプレスには約1年前から増便分の運行を委託していたという。

旅行会社「運転中は2時間毎の休憩を指示していた」 高速バス衝突 (産経新聞) - Yahoo!ニュース


その針生エキスプレス(陸援隊)は

 同社は正社員が5、6人で、繁忙期などで運転手が足りないときは臨時に雇うという。

高速バス衝突 「無理な運転強要されたことない」 バス運行会社社員 (産経新聞) - Yahoo!ニュース


俺が調べた限りでは事故を起こした運転手が陸援隊の「正社員」なのかが不明。

2人ともに社歴が浅いうえ、運転手同士が顔を合わす機会は少ないといい、「事故を起こした運転手のことは分からない」と答えた。

旅行会社「運転中は2時間毎の休憩を指示していた」 高速バス衝突 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
という陸援隊の従業員の証言がある。また、

同店と取引がある千葉県内の男性によると、河野容疑者は自身の職業を「バスを所有し旅行会社も経営しているオーナー」と説明していた。

<関越道バス事故>逮捕の運転手 バス運行歴は4年
という証言があり、これは「嘘」の可能性もあるけれど「孫請け」であるような感じもする。

 入院中の牧出光さんの父親によると、牧出さんは乗車後、運転手に「シートベルトが壊れている」と訴えた。運転手は「バスでシートベルトをする人はいないですよ」と答えたという

<関越道バス事故>シートベルトに不具合も 乗客証言 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

最初この記事を読んだときには、いい加減な人という印象だけだったけれど、もしかしたらバスの所有者が本人である可能性も含んでいるような感じもする。
(追記)会社所有っぽい。

29日は事故を起こしたバスを引き継ぎ、大阪へ行く予定だったという従業員男性

事故のバス会社、従業員は運転手ら5〜6人


また、

 河野容疑者が勤めるバス運行会社「陸援隊」の針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長によると、バス運行歴は約4年。河野容疑者を知る千葉県内の別のバス会社社長は「陸援隊は普段は近距離の輸送が多かったはずで、バスの稼働率も高いように見えなかった。長距離や夜行バスの運転に慣れていなかったのではないか」と話した。

<関越道バス事故>逮捕の運転手 バス運行歴は4年

 針生社長は事故直後、同社の主な業務内容について「つい最近まで(成田空港−東京都内間などの)インバウンド(外国人旅行者の受け入れ)の仕事をしていた」と報道陣に述べた。普段、近距離の輸送にあたっていた河野容疑者が、片道500キロ以上に及ぶ今回の走行で疲労を蓄積させた可能性もある。

<関越道バス事故>労務管理実態、焦点に
という証言がある。「陸援隊」の仕事は近距離が中心で長距離に不慣れであった。運転手は元中国籍だそうだが、「外国人旅行者の受け入れ」という仕事の関係上、中国語を話せることが有利だったのかもしれない。


事故原因については労務実態が焦点になっているけれど、運転手の過労の原因は長時間の運転というよりも、予定外ルートを走行したこと、よくカーナビの画面を見ていたこと、どのサービスエリアに停まったのか覚えていないことなど、慣れない長距離の走行が大きいのだろう。

県警の調べに対し「ホテルでは寝たり起きたりを繰り返していた。

<関越道バス事故>労務管理実態、焦点に
というのも肉体面だけでなく精神面でも疲れていたことをうかがわせる。


再発防止策として、

 群馬県藤岡市関越自動車道で起きた46人死傷の高速ツアーバス事故を受け、国土交通省は1日、運転手1人の最大運転距離を1日670キロとした指針や 「連続運転は4時間を超えない」などの基準を見直す方針を固めた。5月中にもバス業界や労働組合、専門家が参加する有識者会議を設置し、抜本的な再発防止 策を検討する。「670キロ」を巡っては総務省が10年に見直しを勧告しており、国交省の後手の対応に批判も出そうだ。

<バス運転基準>「1日670キロ」など国交省が見直しへ
などということが言われており、それも大切なのだろうけれど、同じ時間、同じ距離を走行したとしても経験豊富な人と不慣れな人では疲労度が違うだろう。そこをどうするかが問題になると思われ。