保守化傾向は続くがリベラルは滅びない。だからこそ

今回の選挙で右傾化したという話をよく目にするけれど、そこで言われている「右傾化」とは、本来の保守・革新の定義とは異なるものである。というようなことは既にあちこちで指摘されているので省略。


だが、そう意味での「右傾化」ではなく、本来の意味での「保守化」が進んでいるのは事実であろうから右傾化していること自体は間違いない。とはいえ、それは今回の選挙に限ったことではなく、長期的に見ても保守化の流れが続いているし、前回民主党が大勝したときでさえ保守化の流れが止まったとか逆行したというわけではなく、左翼は負け続けているというのが俺の認識。何といっても財政赤字が膨らみ続けているのだから、危機感を持つ人が出てくるのは当然のことだ。


でも、だからといってリベラルが滅ぶこともない。なぜなら、いくらなんでも現在の日本で夜警国家を支持する人はそんなにいないであろうから、それなりに国家の役割は期待されている。したがって保守であろうともリベラルの思想を理解して、特にその危険性を理解して、その上でリベラル思想を受け入れなければならない。


そこで邪魔になるのが現在の日本の一部の左翼(ただし非常に声の大きい)に見られるイビツな主張だ。リベラルこそが国家に積極的な役割を期待して公共の福祉のための国民に義務及び制限を課す思想であるのに、まるでそうでないかのように言う。おそらく本気でそう信じていて、その奇妙さに気付いていないのだろう。本来左翼内部で批判されるべきものであるが、左翼以外にとっても世の中を混乱させる迷惑な話である。