でたらめな人

相変わらずである。
国民国家とグローバル資本主義について (内田樹の研究室)
グローバル資本主義を批判したいのならすればいい。けれど内田先生の場合、それ以前に出鱈目なので、主張が同じだからといってこんなのを支持したら、自分も出鱈目な人の仲間入りである。

これからのち、政府は人件費を切り下げ、巨額の公共事業を起こしてインフラを整備し、原発を稼働して安価な電力を提供し、法人税率を引き下げ、公害規制を緩和し、障壁を撤廃して市場開放することをグローバル企業から求められることになるだろう。そして、私たちの国の政府はそのすべての要求を呑むはずである。
むろん、そのせいで雇用は失われ、地域経済は崩壊し、歳入は減り、国民国家の解体は加速することになる。

なんでやねん?どう考えたって雇用は増えるでしょう。増えればいいってもんじゃないって話ならわかるけれど。

さすがに国民国家が現実に政治装置として存在する以上、「国民のことなんか知るかよ」とは言い切れないので、弥縫策として「トリクルダウン」理論というものが動員された。
グローバル企業が収益を上げれば、その「余沢」が国民国家の貧乏人たちのところにも及ぶであろうというものである。
それを口実にして、「とりあえず国際競争力のある企業に国民国家の資源を集中させるために、国民は増税負担を受け容れ、賃下げを受け容れ、社会福祉や医療の切り下げを受け容れなければならないが、我慢してもらえば、いずれ『おこぼれ』が回ってくるだろう」という話で、ことが進んでいる。

企業が海外に流出したらマイナスの「おこぼれ」が回ってくるんじゃないですかね?貧しい人はより貧しくなるでしょうね。


「トリクルダウン」はグローバル資本主義国民国家のあいだの本質的な矛盾を糊塗するための「詐欺的理論」であるが、

ウィキペディアより

「トリクルダウン(trickle down)」という表現は「徐々に流れ落ちる」という意味で、大企業や富裕層の支援政策を行うことが経済活動を活性化させることになり、富が低所得層に向かって徐々に流れ落ち、国民全体の利益となる」とする仮説である。

トリクルダウン理論 - Wikipedia
これってそもそもグローバル企業の海外流出を止める、あるいはグローバル企業を誘致するための理論じゃないですよね(無関係でもないけど)。


ところで「国民国家」の瓦解を懸念するなら、理論的には法人税を廃止して、税収をグローバル企業に頼らないのが一番じゃないでしょうかね?



(追記)
ところで「トリクルダウン」って詳しい理論は知らないし調べても「所得」に関することばっかりなんだけれど、共産主義と比較して考えれば、共産主義は働いても働かなくても同じだから生産が増えない。自由主義は作って売れば売るほど儲かるから生産意欲が湧く。生産が増えれば物の値段が下がる。したがって低所得者でも物資が安価に手に入る。ソ連では物価は統制されて安いけれど肝心の物が無くて陳列ケースは空っぽみたいな話とも関係するんじゃないのだろうか?