「かちかち山」と「赤ずきん」

はだしのゲン」の残酷描写が云々という問題に絡んで、「桃太郎」とか「さるかに合戦」などの昔話が変化しているという話があった。


残酷な昔話といえば何といっても「かちかち山」だ(あと「瓜子姫」もだけど、なぜかあんまり記憶に残ってない)。タヌキが殺されるところは何とも思わなかったが、婆さんが殺されて汁の具にされて、爺さんがだまされて食ってしまうところは衝撃だった。しかし今はその部分がカットされているらしい。

平成時代になって、他の昔話でもそうなのであるが、現代的な基準において「残酷」とされるシーンを割愛あるいは改変した出版がなされるようになった。例えば、老婆は殺されずに一時的な寝たきりとなっていたり、あるいは最後のシーンでウサギもタヌキの命までは取らない(その場合はタヌキは改心したというオチになる)などとなっている。

かちかち山 - Wikipedia


ところで、獣が人を食うというのは現実にも良くある話だが、人並みの知能を持った獣が悪智恵を働かせて人を食べるというのは、もちろん現実の話ではない。で、そういう話で俺が真っ先に思い浮かべるのがこの「かちかち山」で、もう一つは「赤ずきん」だ。それ以外にもあるのだろうが思い出せない。


というわけでウィキペディアで「赤ずきん」を見てびっくり。
赤ずきん - Wikipedia
ペロー以前の「赤ずきん」には「赤ずきんが騙されておばあさんの血と肉を、ワインと干し肉として食べるシーン」があったというのだ。


単に「人並みの知能を持った獣が悪智恵を働かせて人を食べる」だけではなく、「人肉を騙して近親者に食べさせる」というところまで共通しているのだ。これは果たして偶然なのだろうか?それともルーツが同じなのだろうか?とても気になる。


※ なお、瓜子姫にも同様の話があるそうだ。

ただ殺されるのみならず剥いだ生皮を天邪鬼がかぶり、着物を着て姫に成りすまし老夫婦に姫の肉を料理して食わせるといった陰惨な話も伝えられる。

うりこひめとあまのじゃく - Wikipedia