曽野綾子氏はアパルトヘイト政策を支持していない。少なくとも日本でやれとは言ってない(多分)

既に書いたように曽野氏の主張は我々には非常に理解するのが難しい。


そこで多くの人が曽野氏の「真意」はこういうことだと推察して、その上で批判(あるいは擁護)することになる。しかしそれが本当に曽野氏の「真意」なのかはわからない。身近な人だったら「あなたが言いたいことはこういうことですか?」と本人に聞くこともできるけれど、それもままならない。本人がちゃんと説明すればいいんだけれど、どうも曽野氏は我々がどうして氏の真意が理解できないのかが理解できていないようで、納得のいく説明をしてくれない。困ったものだ。


しかし、曽野氏の発言

そう、ですから自発的に日本人村というものがあればいいなと思うのですよ、私は。国がやるんじゃないんですね。だから、そこに行って集まって住むと、豆大福、それから何ですか、お赤飯売ってるわけ。そういうところに私は外国だったらね、日本だったら豆大福とお赤飯に執着しませんけど、やっぱり欲しいんじゃないかな、そうおっしゃる方の気持ちもわかるんですね。

荻上チキによる曽野綾子氏へのインタービュー書き起こし - さかなの目
を見れば、「しかし、居住だけは別にした方がいい」というのは国が人種隔離政策をすべきだという意味ではないということはほぼ疑いのないところだろう。


そしておそらくこれは前の方にある「外国人を理解するために、居住を共にするということは至難の業だ」に関わっていることであって、つまり「外国人を理解するために」という理由で、それ以外に特に理由もないのに居住を共にする必要なないということを言いたいんだろうという理解も不可能ではないように思わないでもない…


ただし、それなら「積極的に居住を共にする必要はない」でいいわけで、もちろんこれでも同意できない人は多いだろうけれど、意味としては理解しやすくなるわけで、それを「しかし、居住だけは別にした方がいい」なんて書くから、やはり意味不明さは残るのである。


※ なお居住を別にするといっても、人種隔離政策のあった南アフリカでは強制的に居住地域が分けられていて、アパルトヘイトが撤廃された後にもおおむね元の居住区に住んでいるわけである。日本においてはそもそも移民の居住区は、中華街やコリアタウンがあるといっても、そこに住んでいる中国系や韓国系の人は極一部であろう。ましてや今後移民してくる人達がまとまって住む土地が人口密度の高い日本のどこにあるのだろうか?過疎地域にならあるかもしれないが、介護の仕事のために移民するのであれば過疎地域に何百人もやってくるわけでもなし、そもそも集合住宅に住む必要がないのではないか?東京などの大都市で移民街を作るのであれば、今そこに住んでいる人を立ち退かせなければならないのではないか?その場合は行政の力が必要になってくるのではないか?民間で移民専門のマンションを作るというような話ならば女性専門のマンションもあるんで可能かもしれないけれど。等々具体的なことを話さなければならないのではなかろうか?