鳥越氏大健闘のその陰で

東京都知事選 鳥越氏が大健闘/野党と市民の共闘発展しんぶん赤旗
「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」


ところで時事通信社出口調査によると民進党支持層の30%が小池氏、10%が増田氏に投票したと答えたという。そして共産党支持層の16%が小池氏、10%が増田氏に投票した。
自民支持5割、小池氏に=推薦の増田氏上回る−都知事選出口調査【都知事選】:時事ドットコム


また朝日新聞出口調査によると、民進党支持層の28%が小池氏・11%が増田氏に、共産支持層の19%が小池氏・6%が増田氏に投票したとある。
都知事選、小池氏に幅広い支持 朝日新聞出口調査:朝日新聞デジタル


日本経済新聞によれば

共産党支持層の17%、社民党支持層の18%が小池氏に流れた。

自民支持の5割、小池氏に 共同通信出口調査  :日本経済新聞


東京新聞によれば、民進支持層の39.3%が小池氏・8.2%が増田氏、共産支持層の17.3%が小池氏・5.5%が増田氏に投票したという。

東京新聞:自民票も小池氏へ 出口調査の集計結果分析:社会(TOKYO Web)


以上のように共産支持層で投票に行った人の7割弱しか鳥越に投票せず、2割弱が小池氏に投票したということになる。これって結構すごいことではないだろうか?いやこれまでの共産支持層の投票動向を知らないので比較検証したわけではないけれども…


選挙期間中の左向きの人達の主張では、「小池も増田もありえない、鳥越氏がベストというわけではないが他に選択肢はない」というようなものが主流だったのではないだろうか?さらにいえば「小池も増田もありえない」とはいいながら主な攻撃対象は小池氏の方であり、彼女を極右として激しく批判していたのではなかっただろうか?


ところが蓋を開けてみれば、共産党支持層でも鳥越氏に投票しない人がかなりいた。しかもあろうことか不倶戴天の敵である小池氏に投票した人の方が増田氏に投票した人よりも圧倒的に多かったのだ。これすなわち、声の大きな鳥越支持層(彼らがどの政党を支持しているのか知らないが)と、共産支持層(の一部)の間には大きなズレが生じているということになるだろう。このズレの原因はどこにあるのだろうか。


(推理その1)鳥越氏がひどすぎた都知事選なのに都政よりも国政の話が中心。具体的な政策が見えない空虚な主張。実務経験なし。健康不安。女性問題を事実無根とするだけで納得のいく説明をしない。というわけで共産党が推薦していようとさすがに鳥越氏を支持することができなかった。


(推理その2)共産党支持層の変質。ちかごろ共産党は元気である。これすなわち新たな共産党支持層が流入してきたということ。その新たな共産党支持者は従来の共産党支持者とは異なった性格の人達である可能性。



まず(その1)については誰もが思いつくようで、そういう意見をいくつか見かけたけれども、鳥越氏を支持できないからとはいっても、その場合増田氏に投票するという選択肢があるにもかかわらず小池氏に投票した人が圧倒的に多いのだ。本当に極右なのかはともかく、共産党を支持するような人は小池氏を極右とみなすだろうというのは左翼だけではなく一般的にもそう思われているのではないか?もちろんこれは都知事選なので小池氏が防衛政策でタカ派であろうと都政には基本的には関係ないことではある。ただし「レイシスト」「弱者切り捨て」などという批判も左翼から聞こえてくるので、そっちは都政と関係するはずだ。だから普通に考えれば共産党支持層が小池氏に投票することは「ありえない」ような感じがする。そこが実に不思議なところ。


で、(その2)だが、これはかなり奇抜な推理だとは自覚しているのだけれども、前の都議選で共産党は躍進した、と同時に知事選では田母神氏が61万もの票を獲得した。これは一般に有権者の志向が左右に極端化したからだと考えられていると思う。それは確かだと思うけれども、俺はさらに共産党に投票すると同時に田母神氏にも投票するという人が少なからずいたのではないかと推理した。
ネトウヨが共産党を勝たせる可能性


今回も同様に左か右かではなく極端を好む人が存在した可能性があると思う。もっとも小池氏が極端かというのは微妙なところではあり、立候補者には桜井誠という人物もいたわけだが、彼は田母神氏ほどには票を集められなかった。とはいえ小池氏も左翼視点では十分「極右」だったわけで、だからこそ彼女に投票した「共産支持者」がいたという可能性を捨てきれないように思うのである。そして米国では左派のバーニー・サンダース支持者の中に民主党の候補に選ばれなかったらトランプに投票するという人が多くいるということがニュースで報じられているけれども、これと同種のことが日本でも起きているのではないかと思うのである。


※ もちろんこれらは豊富なデータが無い中での推測であって、それなりのデータがあればより詳細な検討が可能だし、俺の考えが間違ってる可能性は十分ある。


※ 石原都知事時代に石原氏に投票した共産支持層がどの程度いたのか知りたいけど検索では見つけられなかた。