日本の右傾化(と左傾化)

これまで「日本の右傾化」ということはずっとずっとずっと言われ続けていたが印象論的なものが多かった。ところが今回の都知事選で田母神俊雄氏が約60万票を得た。これは「日本の右傾化」が明確な形で現れたということで大きな意味を持つだろう。


俺にとっても衝撃的だった。氏が立候補を表明したときには、まさかこんなに票を得るとは予想していなかった。2007年の都知事選で黒川紀章が約16万票を獲得したが、だいたいこれと同じくらいではないかと思っていた。これをどう評価すべきだろうか?全体の中では少数派ではあるので過大評価するべきではない。だが60万票というのは少数だといって切り捨ててよい数字でもない。正直とまどっている。


ところで「日本の右傾化」というが、一方で別の動きもある。


それは共産党の躍進だ。去年の参院選議席が3から8に増えた(得票数も増えた)。都議選でも8人から17人に激増した。支持率も高い。


田母神氏という「右翼」が躍進する一方で、共産党という「左翼」も躍進している。これはおそらく偶然ではないだろう。


しかし、この二つの出来事をリンクさせて論じているものを(あるのかもしれないが)俺はみたことがない。