2007-08-19から1日間の記事一覧

まとめ

以上、「日経メディカル」の記事に該当する「判例タイムズ」の判決文を読んで、裁判所の判断の言わんとするところを理解した上でも、それが適切な判断であるかは意見のわかれるところであるかもしれない。しかし、個人的な感想として、「日経メディカル」の…

その他重要事項

「日経メディカル」には読者が判断するにあたって重要な事実が示されていない。 判例タイムズ №。1235 以上によれば、本件手術当時、乳房温存療法は、乳房切除術と並んで確立した療法であったところ、被控訴人医師らは、控訴人の乳癌については乳房温存療法…

「日経メディカル」「判例タイムズ」読み較べ(その3)

日経メディカル 2007.8 判決では「乳房温存療法を行った場合のデメリットまで説明せよ」としていますが、癌が広がっていることや、現時点では転移がないため、乳房切除術を行えば予後は良好であることなどを説明していることからすれば、温存療法のデメリッ…

「日経メディカル」「判例タイムズ」読み較べ(その2)

日経メディカル 2007.8 そもそも、乳癌手術の際の説明は、患者の自己決定に必要な情報を提供するために行うものです。医師の夫がおり、書籍で調べて病院を訪れている患者が、医師からこれだけの情報を得て自己決定ができないなら、他にどんな情報があればよ…

「日経メディカル」「判例タイムズ」読み較べ(その1)

ド素人の感想を入れるとややこしくなるから余計なものは書かないで、「日経メディカル」の記事で気になる部分と、それに対応する「判例タイムズ」掲載の判決文を、そのまま引用するだけにする。 日経メディカル 2007.8 この判決にはほかにも首をかしげたくな…

温存治療の適応基準

昨日の日記は、俺の事実誤認があったのでグダグダになってしまった。反省。 その後見つけた記事 ⇒乳房温存 方針に大差(2004年10月27日 読売新聞) しかし、実際の治療方針は医療機関によって大きく異なる。読売新聞社が今年8月、約500医療機関を対象に…

「日経メディカル」「判例タイムズ」読み較べ(追記)

日経メディカル 2007.8 県立病院で乳癌の疑いありと診断された患者は、乳房温存療法に積極的に取り組んでいる大学外科助教授Aのことを本で知り、診察を受けた。 判例タイムズ №。1235によると、被控訴人丙山(仮名:Aと同一人物)は、平成2年4月から○○大学…