「日経メディカル」「判例タイムズ」読み較べ(その1)

ド素人の感想を入れるとややこしくなるから余計なものは書かないで、「日経メディカル」の記事で気になる部分と、それに対応する「判例タイムズ」掲載の判決文を、そのまま引用するだけにする。


日経メディカル 2007.8

この判決にはほかにも首をかしげたくなるポイントがあります。B医師は、患者が受診してから3週間近く連絡がなかったため、患者に電話をかけ、生検を受けることを勧めたのですが、裁判所はこれを「患者に診療方針の選択について熟慮する機会を与えるという観点からみた場合、不適切であったとの批判の余地はある」などとしています。

判例タイムズ №。1235

「控訴人から治療方針の選択について返事がなかったからではあるが、証拠(被控訴人乙原本人)によれば、医師(被控訴人乙原)の方から患者(控訴人)に電話をかけること自体異例のことであるというのであり、しかも、被控訴人乙原は、今後の方針として3か月ごとの厳重な経過観察を行う方法もあることを説明していたのであるから、3週間弱を経過して治療方針の選択について返答がなかったからといって、患者である控訴人に電話をかけるということは、控訴人に診療方針の選択について熟慮する機会を与えるという観点からみた場合、不適切であったとの批判の余地はあるが、3週間弱という期間が治療方針の選択について熟慮するための期間として短きに過ぎるとまではいえないから、控訴人の熟慮の機会を奪ったとまでいうことはできない。」