2011-02-14から1日間の記事一覧

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その5)

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その4)の続き。 沙門之作法には疎く、世間之取沙汰には、十を悟れる智世に勝れ、取分勇道之物語をば、甚以すき給ひつヽ、稚心にも、出家は乞丐之徒を離れざる物を、と思召、万雅意に振廻給ひ、僧共にいとはればやの心…

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その4)

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その3)の続き。 出於襁褓之中より、類ひ稀なる稚立にして、尋常之嬰子にはかはり、利根聡明なりしかば、出家させ禅派の末流をも続せ、松林之五葉を昌んにせばやとて、八歳之比同国光明寺之門弟となしけるに、 赤子の秀…

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その3)

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その2)の続き。 『真書太閤記』の太閤伝説と武蔵坊弁慶の伝説は類似している。それだけなら、『真書太閤記』は弁慶伝説を下敷きにしたものだと考えられるというだけのことだ。 ところが話はそう単純ではないと俺は考え…

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その2)

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その1)の続き。 『真書太閤記』とはどういう史料かというと、桑田忠親『豊臣秀吉』(角川書店)によれば、 『真書太閤記』は、江戸中期を少しくだった安永年間(一七七二-八一)に、大坂の講釈師の口演を筆記したと称…

『太閤記』と『真書太閤記』と進化論(その1)

『真書太閤記』が武蔵坊弁慶の伝説(特に『弁慶物語』と非常に似ているということを、この前指摘した。 ⇒『真書太閤記』の類話 ネットで検索してみると、蜂須賀小六との出会いが義経と弁慶の出会いに似ているという話はある。ただし日吉丸=義経、小六=弁慶…