病人ニーチェ

俺は哲学全然駄目です。ブログ読むと哲学的なことが良く書いてあるんで、少しは勉強しようかと思ったんだけど、難しくて苦痛しか感じられず。即リタイア。


でもこの本は面白かった。
『知の教科書 ニーチェ』(清水真木著 講談社選書メチエ

知の教科書 ニーチェ (講談社選書メチエ)

知の教科書 ニーチェ (講談社選書メチエ)

まあ、読むには読んだけど、本当に理解できたかっていうと、おそらく一割も理解していないのだろう。


興味深かったのは、ニーチェが従軍したときに、赤痢ジフテリアに同時に感染してしまい、その後、後遺症に悩まされたというところ。その結果、ニーチェは「病気の意味について、一つの洞察を導き出していた」ようだと、この本の著者は書いている。


どういうことかというと、


人は健康なとき、健康を維持するために身体に負荷をかける。

例えば、スポーツは、それ自体としては身体にとって有害でありながら、しかも、健康な人間にとり、健康を促進するための刺戟となります。自ら進んで身体に負荷をかけることにより、そのような負荷に耐えられる自分の健康を確認し、それによって満足を感じることができます。


ところが病気になると、健康なときとは反対の配慮をする。

身体に少しでも負荷をかけるような行動、例えば外出やスポーツは、体調をさらに悪化させる危険のあるものと見倣されるようになります。身体に負荷をかけるものはすべて悪しきものとして遮断したいという欲求が生れます。健康なときには自ら進んで引き受けてきた負荷に身体が耐えられなくなっているからです。病人とは、自分の身体に負荷がかけられることを避け、身体を休息させ保護しようとする人間のことである。


その通りですね。で、これを身体だけではなく、頭脳のことに置き換えて考えれば、
「健康な人」とは、自ら困難な問題に立ち向かっていく人であり、「病人」とは自分の殻に閉じこもって、不利なことは一切無視するような人であり、さらに言えば「健康な人」とは、困難がなければ、自ら困難を捜し求めていく人であり、「病人」とは、相手の弱い部分を捜し求め、そこだけを集中して攻める人。自分より格下であると認めたものだけを攻撃する人のことといえるのではなかろうか?


上に書いたように、哲学はサッパリなので、この俺の解釈が正しいかどうかはわからないけど、それはともかく、「健康な人」を目指したいと思う今日この頃。でも多分、というか絶対に無理だな。