最近テレビをほとんど見ないし、即時性のあるネット情報にも接していないので金正日死去のニュースが今日の正午頃に流れたそうだが、3時間以上後になって知った。
果たして今後どうなるのだろうか?と考えた末に
「北朝鮮は変わらない、もしくは変わる可能性も十分考えられる」と某解説員のような結論に至った…
ま、基本的には変わらないんじゃないかと思うけど。
封建制の矛盾がもっとも大きな国において、その矛盾の重みに酎えかねた被支配者の不満が爆発して起きるというのが、よくある革命のイメージである。これに対し、トクヴィルの考えでは、フランスで革命が起きたのは、フランスにおいて封建制の束縛がもっとも重かったからではなく、むしろもっとも軽かったからだというのである。この逆説を説明するために、トクヴィルは、ここまで検討してきた、平等社会における不平等という論理を応用する。
人々にとって、かつて自分たちから遠いところにいると思われた貴族たちは、今では比較を絶する存在ではない。そうだとすれば、彼らの持つ特権は、きわめて目障りなものに見えてくる。かつては社会のヒエラルキーに組み込まれ目に見えにくかったその特権が、きわめて不当なものとして可視化したのである。フランス革命の一つの原動力となったものは、このような封建的貴族たちの特権への反発であった。まさに、平等に近づいたからこそ見えてきた不平等の存在こそが、人々の情念を突き動かしたのである。
『トクヴィル 平等と不平等の理論家』 (宇野重規 講談社選書メチエ)より
- 作者: 宇野重規
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北朝鮮が現在そのような状態にないことは明白で、民衆が蜂起する可能性は少ないだろう。今の体制を維持するためには圧政を続けるしかなく、下手に民主化などすれば崩壊が早まるだけだということは指導層も承知しているだろう。したがって、今後も独裁体制が続き、かつ維持される可能性が高いと思われ。
変わるとすれば権力闘争絡みということになるだろうけれど、その場合は中国・ロシア、(あるいはアメリカの裏側からの支援)とか外部の協力が必要になると思われ、しかし、それらの国が北朝鮮の現体制崩壊を心から望んでいるかというと微妙だから動くに動けないんじゃあるまいか。