小泉批判で財務省は大喜びの巻

昨日の国債発行額のエントリーの続き。(まあ、俺はド素人だから、そんな俺が講釈たれるのもアレなんだけど)


小泉内閣になってから、国債発行額が増えたといっても、その半分近くは「財投債」です。


「財投債」については「マーケットの馬車馬」さんのエントリーが詳しいので参照してください。
http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2005/08/2_3600.html


簡単に言えば、今まで郵貯の資金は、大蔵省の資金運用部に預託されて、特殊法人に貸し付けていた。それが、改革で、特殊法人は資金を自己で調達しなければならなくなった。とはいえ、いきなり、簡単に調達できるわけがない。だから、当面は政府が貸し付けることになった。その資金は国債で調達する。一方、郵貯も、いきなり資金運用先が見つかるわけがない。だから、国債で運用する。要するに、国債というワンクッションを置いてはいるが、今までと変わらない。だけど、国債の発行額は膨らむ。
ちゅうことです。


実質的な国債発行額は、これを差し引いて考えなければなりません。


で、その国債発行額ですけど、小泉氏は「30兆円枠」を、自民党総裁選の公約として掲げました。
初年度の01年度は30兆円枠を守りましたが、02年度以降守られず、今年度予算で再び29兆円台になりました。
だから、公約違反といえば公約違反です。民主党菅直人代表(当時)から批判されたとき、「大したことじゃない」と言ったというのは有名な話です。


まあ、その件を批判したいのなら、批判すればいいでしょうけど、「財投債」まで含めた発行額で批判するのはどうかと思います。
で、反小泉な人達は、小泉首相を批判することで、気分がいいのかもしれませんけど、彼らが大きな声で叫べば叫ぶほど、日本の財政状況は危機的であるということを宣伝するという結果になります。


ここでよく考えて欲しいのですけど、国の借金は、小泉首相が退陣しようが、民主党が政権取ろうが、無くなることはありません。
借金は返さなければなりません。借金を返すにはどうしたら良いかというと、方法はいろいろあるでしょうけど、「増税」というのが有力な手段です。反小泉な人々が、小泉首相を批判するつもりで、借金を水増しすればするほど、「増税」という文字が国民に植え付けられます。
これで喜ぶのは誰あろう「財務省」のお役人ということになります。国民に増税があるかもしれないという覚悟を持たせることができるのですから。


反小泉反小泉でも、森永卓郎氏クラスになると、そういうことがわかるので、
「国の借金を見かけ上増やしているだけなのだ。」
と主張するわけです。(ちなみにこれを聞いたのは今年になってからで、去年の選挙期間中とかにそういうことを主張していたかは定かではない)


反小泉でも、一方は借金が激増したといい、もう一方は、そんなことは無いと言う。
まあ、こんなもんです。
まあ、「きっこ」さんが、森永卓郎氏に抱いてるイメージはこんな感じだけど。
http://www3.diary.ne.jp/search.cgi?user=338790&cmd=show&num=2004091531095184018&log=2011750766&word=森永卓郎