朝日社説を裏読みする。

昨日も書いたが、朝日は安倍退陣を主張している。朝日なんだから当然のように見えるかもしれないが、これは当然ではないのではないか。なぜなら、安倍政権が続いてくれれば、引き続き低支持率が予想され、その間に解散総選挙になれば与野党逆転が期待できるからだ。安倍退陣で自民の人気が回復してしまったら元も子もない。
というわけで、左向きとされている、毎日・東京・北海道新聞などは、「解散・総選挙が筋だ」みたいなことを主張するのである。安倍は叩くが殺してはならないというのが「本音」であり、今後おそらくこのように「本音」を表に出さないで、あたかも「原理原則」であるかのような言説が新聞・雑誌・ネット等に氾濫するであろうと予測される。


ところが、朝日だけは異色だ。今日の社説も「首相の続投―国民はあぜんとしている」と題して、安倍続投を批判している。他紙もそれなりに批判しているが、続投を前提にしての批判であり「本気度」が違う。今日は解散・総選挙にも触れているが、メインは退陣要求だと思われる。
自民県連は首相続投表明に批判も 「理解得られぬ」
という記事も、そういう路線に乗った記事だろう。


なぜだ?
推理その1 本音は解散・総選挙。他紙よりも高度なテクニックを使っている。
推理その2 朝日の内部事情。今は退陣要求論者が力を持っているが、いずれ修正される。
推理その3 政界再編を恐れている。


「推理その3」を少し詳しく説明すると、朝日は小泉前首相と同じ状況認識を持っているということ。

小泉氏が「前に言った」のは、3月7日夜の会合だった。小泉氏は「参院選は負けた方が面白いぞ。民主党小沢一郎代表は自民党内に手を突っ込んでくる。民主党の反小沢勢力も黙ってはいまい。そうなれば政界再編だ」と断言し、「政権選択の選挙は衆院選だ。首相はそれだけを考えていればいいんだ」と結んだ。

「国のため筋通せるか 首相退陣せず「敵は『戦後レジーム』」」政治も‐政局ニュース:イザ!


「政界再編」は旧来の左翼(以下「左翼」と書く)にとって望ましいものか?「左翼」は実際の勢力以上に影響力を持っているというのが俺の認識だが、「左翼」でもそういう認識を持っている人はいると思う。そもそも朝日新聞にしてからが、一昔前には人気企業ランキング上位に位置していたくらいで、バリバリ左翼の巣窟であるとは思えないのに、バリバリ左翼の言論が跋扈している。「政界再編」はそういう「左翼」の既得権益を破壊する(かもしれない)。もし与野党逆転が実現したとしても、彼らから見た「右傾化」はむしろ進行する(かもしれない)。それよりも、安倍を退陣させて、「右傾化」の進行を食い止めるのが現実的である。そういうことかもしれない。


本当のことはわからない。そもそもそんな深い意味はなくて、単に安倍嫌いだからかもしれないけどね。