一次情報に当たるよりも前にやるべきこと

メディアリテラシーについてちょっと話題になっている。


よく言われるのが一次情報に当たることの大切さだけど、それより前に、まずは、何がわかっていて、何がわかっていないのかを自問自答しなければならない。それがなければ次のステップに進めない。何を調べればいいのかわからない。


それに、一次情報に当たるというのは、手間のかかる行為であり、時間がいくらあっても足りない。時には金もかかる。一次情報に当たらなければ言及できないなんてことになれば、それが可能な話題はひどく限られたものになる。しかし、何がわかっていて何がわからないのかを知っているのならば、その範囲で言及すれば大恥をかくことは滅多にないだろう。


思うに、マスコミ報道に脊髄反射してしまう人は、その習慣が身についておらず、与えられた情報を、そのまま自らが事前に持っている方程式にインプットして解を出してしまうのであろう。ところが実際は、報道ではわからない未知のXやYが存在するのであるから、方程式の解も未知の部分を算入しておかなければならない。そうすればXやYの数値がわからなくても、それなりの解を出すことが可能になる。


例の警官が高校生を平手打ちしたというニュースで言えば、容疑者は酒を飲んでいたというが、それが行動にどう影響したかなんて皆目わからない。泥酔していたのか、ほろ酔いだったのか、食事でワインをたしなんだ程度だったのかもわからない。ただ単に「酒を飲んだ」というだけだ。「酒を飲んだ」のはおそらく事実であろうし(それも、自己の証言であるのか、同僚の証言であるのか、店員の証言なのかわからないけど)、事実と考えられるのであれば県警は記者会見でそう言うだろうし、聞いた記者が記事にするだろう。ただそれだけのことであって、酒の影響については、俺の知る限りでは今でもわからない。