バブルへGO!!

俺はこの映画見てないんで、どういうストーリーになっているのか知らないけれど、バブル後を知っている俺が、バブル初期にタイムスリップしたら何ができるだろうかということは考えたことがあります。


まあ、凡人の俺が単にタイムスリップしても、社会を変えることなんて無理なんで、値上がり確実な株式に投資してバブリーな生活を送るってことになるんでしょうね。もっと大きなことをやりたいと思ったら、タイムスリップするだけでなく、銀行の頭取とか、不動産会社の社長とかに転生するという設定も付け加えなければなりませんね。


で、もし、銀行の頭取なり、不動産会社の社長なりになったとして、それでバブル後の悲惨な状態を知っている「俺」(ただしそれは禁則事項)は、あのイケイケドンドンの時代に、過剰な融資や不動産投資を止めて、「健全」な経営をすることが可能なのか?オーナー経営者ならともかく、お雇い経営者だったら、無理なんじゃないかと思いますね。


そんなことしたら、更迭されるでしょう。せいぜい法令遵守を心掛けるくらいのもんでしょうか。それだって守り通せるか自信がありませんね。圧力がいろんなところからかかるでしょう。「お上」が「正しい者」の味方をしてくれるとも限りませんしね。


それでも、「未来の日本」のために愛国精神を発揮して、身を削る努力をして、自社だけでなく、財界にも危険を訴えて、奇跡的にそれが理解されて、その結果、バブル崩壊を食い止めることができたとして、俺は「救国の英雄」として賞賛されるだろうか?まあ、そこそこの評価はされるだろうけど、儲けるチャンスを失った人達から、多くの恨みを買うだろう。ちょっとしたスキャンダルで失脚したり、暗殺されたりの悲惨な末路を迎える可能性が高いんじゃないかと思いますね。というのも、バブルの発生と崩壊という歴史を経験していない人にとっては、その意味が理解されないだろうから。


何かをやって良い結果が出たというのは評価されやすいんだけれど、何かをやらなかった結果、悪い出来事が起きなかったというのは評価されにくいというのが俺の常々思うところ。周囲がノリノリの時、それが悪い結果を生むとわかっていても、「空気」に逆らうのが困難なのは、それが正しくても感謝されるどころか恨まれる危険があるという理由があると思う。