日本の「右翼・左翼」問題がややこしいのは

要するに、左は戦後民主主義体制を肯定し、右は「戦前」を肯定すると考えられ、実際そのようになっているからでしょう。


「戦前」というのは主に「明治・大正・昭和初期」のこと。ところが、日本の歴史は明治に始まったわけではなく、それまでの長い歴史がある。それらは無視されるか「戦前」と同列にされて、左からは遅れたものとしてみなされ、右からは都合の良い部分だけを「日本の伝統」として利用される。


だから去年話題になった「産む機械発言」のときの左右どちらの論調でも、「家」のために子を産むことと、「国家」のために子を産むことが混同されるみたいなことが多発する。


最大の問題は「明治維新」が革命なのか反動なのかということで、俺はどう考えたって「革命」だと思うのだけれど、どうやらこの問題は決着が着いてないみたい。


なんで「革命」であることが否定されるのか俺には理解しがたいところがあるんだけれど、「天皇制」だからってことなんだろうか?しかし「反動」といっても、(「復古」とは言うけれど)過去にそんな体制が存在したとは思えないし、「反革命」という言葉も多くみかけるけれど、「反革命」もまた「革命」だと思うし…結局、左翼的価値観で見た場合、明治維新は「あるべき」方向への進歩を阻害するものだから「反動」と捉えられているということなんだろうか。しかし、今時、そこまでベタな左翼というのも少数派じゃないかと思うんだけど、良くわからん。


で、明治維新が「革命」であるか「反革命」であるか、いずれにせよ、戦前派と戦後派で「右翼・左翼」と分けた場合、「革命の反対物」から見れば、革命も反革命も、どちらも反対側に位置するのだが、世の中こういう定義での「右翼」と「左翼」しかないと考えている人たちには、それが見えないということになる。