不当に迫害される人たち

『奇妙な論理 だまされやすさの研究』(マーチン・ガードナー、市場泰男訳 社会思想社)より。


「誠実な擬似科学者の偏執狂的傾向」には五つの形があるそうだ。そのうちの一つ。

(3)彼は自分が不当に迫害され、差別待遇を受けていると信じる。公認の学会は彼に講演させることを拒む。雑誌は彼の論文を拒否し、彼の本を無視するか、「敵」にわたしてひどい書評を書かせる。ほんとに卑劣なやり方である。こういう反対の原因が、彼の仕事がまちがっていることにあるとは、奇人には全く思いうかばない。それはひとえに、確立されたヒエラルヒー ― 自分たちの正統思想がひっくり返されることを恐れる科学の高僧たち ― の側の盲目的な偏見から生じていると彼は確信する。

あるある。


しかし、「不当に迫害され、差別待遇を受けていると信じる」のは何も疑似科学者だけではないようにも思う。


「科学者」は無知な政治家によって不当に迫害されている。
「医師」は無知な政治家と卑劣なマスコミと愚かな大衆に迫害されている。
「官僚」は無知な政治家と卑劣なマスコミと愚かな大衆に迫害されている。
インフレターゲット論」は(略)


まあ、実際に「不当に迫害」されているのかもしれませんけどね。しかし、あまりにもその思いが強すぎると、疑似科学者と見分けがつかなくなるなんてことも。



てなことを俺が書いても大した影響はないでしょう。なぜなら俺のブログは不当に迫害され、正当な評価がされていないから(嘘)