二世将軍

さっき「世界ふしぎ発見!」で徳川家光のお守り袋の中に「二世将軍」と書いた紙が入っていて、家光は秀忠の子じゃなくて家康の子だという説がある云々ということを言っていた。


これって良く聞く話だ。家康の実子説はともかく、家光が秀忠を無視していたみたいな話だと、いかにもありそうな話として流布している。


しかし、俺は前々から素朴にして基本的な疑問を持っている。それは、
家光のお守り袋に「二世将軍」と書いた紙が入っているということは、家光が自身を「二世将軍」と意識していたということになるのか?
ということ。


そもそも「二世将軍」とは何か?という疑問があるんだけれど、家康を一世とした場合の二世という意味で理解したとすれば、それは徳川秀忠だと考えるのが自然だろう。そして家光のお守り袋に「二世将軍」と書いた紙が入っていたのなら、それは秀忠のことだと考えることは不自然なことだろうか?なぜ、それを家光自身のことだと、当たり前のように考える人が多いんだろう?


いや、俺は当時の信仰について詳しいわけではないから、「当時はお守り袋の中に自分のことを書いた紙を入れるのが普通だったのだ」とかいうことなのだとしたら、俺の全くの勘違いってことになるんだけれど。


俺が持っている感覚としては、お守り袋の中に入れるのは「お札」とか「神様の名前」とかだったりすると思うんですよね。それがお守り袋を持っている人を守るんだと思います。お守り袋の中に自分のことを書いた紙を入れるってことは、自分で自分を守るってことになってしまうんじゃないかと…



あと、ついでに、お守り袋の中には「二世ごんげん(権現)、二世将軍」と書いてあるんだけれど、「二世ごんげん(権現)」とは何かという疑問もある。


「権現」とは、

1 仏・菩薩(ぼさつ)が人々を救うため、仮の姿をとって現れること。
2 仏・菩薩の垂迹(すいじゃく)として化身して現れた日本の神。本地垂迹説による。熊野権現・金毘羅(こんぴら)権現などの類。
3 仏・菩薩にならって称した神号。東照大権現徳川家康)の類。

ごんげん【権現】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
という意味だ。「二世」が「二代目」という意味だとして、「権現」が徳川家康のことだとしても、家康の息子や孫を「二世権現」と呼んだり、自称したりするということが有り得るのだろうか?なお「二世」には「現世と来世」という意味もある。


このあたりの所がろくに検証されていないのではないかという思いがあるんですよね。



ちなみにウィキペディアの説明。

寛永13年(1636年)に東照宮を造営すると、日光社参を生涯のうちに10回行っている[3]。晩年、家光は度々家康の姿を夢に見て、狩野探幽にその像を何度も描かせている。また、家光は身につけていた守袋に「二世ごんげん(権現)、二世将軍」や「生きるも 死ぬるも 何事もみな 大権現様次第に」等と書いた紙を入れており、これも家康とのつながりの意識の強さと、その尊崇ぶりを著すものと見られている。

徳川家光 - Wikipedia
これだけでは、その点についてはさっぱりわからない。